いよいよWindows 10のリリースが目前に迫ってきた。さまざまな点で改良が進んだWindows 10だが、企業がそれを受け入れるには幾つかの課題がある。企業が克服すべきポイントとは?
2015年7月の発売が予告されている米Microsoftの「Windows 10」について、移行時期の検討を進めている企業も多いことだろう。
延長サポートの終了まであと5年を切った今でも、Windows 7を使い続けるユーザーが多数派を占めている。しかし今日では、「Windows 7」がリリースされた2009年当時よりも(リプレースするマシンの)選択肢は格段に増えた。2009年はまだ初代iPadも発売前で、企業システムのOSには圧倒的にWindowsが採用されていた。
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やがて、携帯デバイスの分野でMicrosoftの一社独占体制のほころびが見え始め、(携帯デバイスを販売する)競合他社も業務用機器の市場を目指すようになった。さらに、タブレット型デバイスとスマートフォンの急激な普及によってITコンシューマライゼーションが一気に進み、米GoogleはOfficeスイート製品を大企業向けに売り込むようになった。
もっとも、「iPad」や「Android」ベースのタブレット型デバイスは、既存PCが備えていた機能を全てカバーしているわけではない。GoogleのOfficeスイートも、機能の豊富な「Microsoft Office」に比べると見劣りするものだった。これらの製品は、(市場を席巻していた)Microsoft製品に代わるものとして登場したが、(WindowsやMicrosoft Officeの)代替品としては完全でないにしても、目的を果たすのに十分な機能は備えていた。特にタブレット型デバイスは単なるPCの代替品ではなく、その域を超えた利便性をユーザーに提供するものだ。
「Windows 8」または「Windows 8.1」の導入を見送った企業や団体は多かった。このバージョンでタッチスクリーン対応のユーザーインタフェース(UI)が搭載されたものの、操作感は快適とはいえなかったからだ。そこでWindows 10ではUIが改良された。
こんな状況の中で、Microsoftは新しいOSを間もなく出荷する。以前とは違い、Windowsは企業のIT部門が当然のように選択するものではなくなった。加えて組織内でのCIOの役割も根本的に変わった。IT部門はかつて、実務部門に対して作業を提供して貢献する立場(サービスプロバイダー)だったが、今は(外部企業が直接実務部門に提供する)サービスの仲介役だ。
例えば英国ピーターバラ市議会は、IT部門の業務方針を変更した。IT部門はオンプレミスのシステムを購入するのではなく、(利用する)サービスの発注を担当することになった。同時に市議会のスタッフの半数に対して「Chromebook」またはタブレット型デバイスを配備する計画を進めている。
MicrosoftのWebサイトには、Windows 10を紹介するページがある。ここに掲載されているビデオメッセージで、同社のOS部門担当副社長、ジョー・ベルフィオーレ氏は次のようrに語っている。
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