Windows 10がリリースされてもPC市場の低迷を止めることはできなかった。そのPC業界が期待を寄せるのが、第6世代Intel Coreプロセッサだ。
米Intelの第6世代プロセッサは、IT業界にコンピューティングへの新たなアプローチを提供する可能性を秘めている。
その前段階として、PC市場には「Windows 10」への失望があった。
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以前は、Windows 10のリリースによりPCの新規購入需要が一時的には高まると予測されていた。Windows 10は、(有償で)「Windows 7/8/8.1」のライセンスを購入していたユーザーに対して提供されるアップグレード手段なのだから、PC市場に大きく貢献するはずだ。アップグレードによって、ユーザーは多彩な新機能を享受できる。PCがより便利になり、モバイルかPCかを問わず、どのプラットフォームを利用していても同じ感覚で操作できるようになる。
ところがフタを開けてみると、Windows 10はPCの売り上げをさほど押し上げなかった。そして、PC出荷数の長期的な減少傾向を回復させる要因とはなっていない。
そこでPCメーカーは革新的な施策を打ち出し、2-in-1タイプなどの新しいフォームファクターの製品に注力している。これによって、安価なAndroidベースのモバイル端末やタブレットからコンシューマーを引き離し、やはり安価なWindowsベースのPCに引き寄せようとしている。
調査会社の米IDCによると、コンシューマーに対して無料アップグレードオプションを提供していることや、プラットフォームの統合など、質的に大きく変化したために、(Windowsには)PCリプレースの決定的要因という、かつての役割はもはや期待できないという。また、ビジネスユーザーが最新モデルのPCを購入するとすれば、ほとんどは(定期的な)リプレース目的だろうと同社は予測する。
さらに同社は、次のような予測も立てている。コンシューマーの領域ではWindows 10への移行は迅速に進むが、無料アップグレードなのでPCを新規購入するニーズは(かつてのWindowsのバージョンアップと比べると)小さい。むしろスマートフォン、タブレット、「Apple Watch」をはじめとするウェアラブル端末など、PC以外のフォームファクターへの投資を優先させるコンシューマーが増える、と。
「MicrosoftもPCベンダーも、新しいOS(Windows 10)と新しい規格のPCの魅力を、ユーザーにもっと強くアピールする必要がある。そのキャンペーン(の効果が表れるまで)には少し時間がかかるだろう」と、IDCで「Worldwide Quarterly PC tracker」(四半期ごとの全世界のPC販売情勢の追跡)プログラムの副責任者を務めるローレン・ロバルド氏は語る。
「(MicrosoftとPCメーカーを取り巻く不安要因には)ユーザーの啓発活動に加えて、市場では他の機器との激しい競争に直面しているし、経済情勢が全般的に厳しい地域も少なくない。PCの出荷台数は、2016年はある程度の増加が見込めるが、その後の数年は、出荷は伸びたとしてもごくわずかだろう」(ロバルド氏)
こんな状況の中で米Intelが発売したのが、第6世代のIntel Coreプロセッサだ。業界の中では、PCの売上減少に歯止めをかけるほどの影響力があるとみられている。
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