12.9インチiPad ProとGalaxy TabPro Sのプロセッサは、いずれも冷却用の内蔵ファンを必要としないため動作中でも静かだ。加えて、プロセッサに高い負荷が掛かるタスクを実行しても本体に熱くなる部分が確認できなかった。
Appleは4G LTEに対応した「Wi-Fi+Cellularモデル」を12.9インチiPad Proで提供しており、ほぼどこからでもインターネットにアクセスできる。Wi-Fi+Cellularモデルには、内蔵ストレージ容量が128GBまたは256GBという構成を用意している。なお、この評価作業(2016年4月)時点において、4G LTE対応のGalaxy TabPro Sは米国で出荷していない。
どちらのモデルも無線LANではIEEE802.11a/b/g/n/ac、デュアルバンド(2.4GHzおよび5GHz)、MIMOに対応している。Galaxy TabPro SはBluetooth 4.1、NFC、GPSを搭載している。一方の12.9インチiPad ProはBluetooth 4.2には対応しているが、NFCには未対応だ。また、Wi-Fi+CellularモデルのみGPSを搭載している。
ワイヤレスについては、4G LTEに対応している点で12.9インチiPad Proが(米国ユーザーにとって)優位だろう。
GalaxyTabPro Sは有効500万画素のメインカメラと有効500万画素のフロントカメラを搭載している。これに対して12.9インチiPad Proは有効800万画素のメインカメラと、ビデオ会議用を想定した有効120万画素のフロントカメラを採用している。
Microsoftの「Skype」やAppleの「FaceTime」の普及で、タブレットや2-in-1デバイスでは一般的にフロントカメラの使用機会が多い。そのため、搭載するカメラの構成に関してはGalaxy TabPro Sが優れていると評価できる。
12.9インチiPad Proは容量10307mAhのバッテリーを内蔵しているが、Galaxy TabPro Sのバッテリーは容量5200mAhにとどまる。そのため、12.9インチiPad Proが1回の充電で長い時間バッテリーで駆動できる。
この評価作業では、12.9インチiPad ProとGalaxy TabPro Sを実際に使ってそれぞれのバッテリー持続時間をテストした。具体的には、動画再生やWebの閲覧などを組み合わせて連続した動作を行っている。その結果、12.9インチiPad Proのバッテリーは再充電することなく11時間以上持続した。一方、Galaxy TabPro Sのバッテリー持続時間は約6時間だった。
バッテリーについては12.9インチiPad Proに明かな優位性を認めることができる。
2016年4月時点において米国で販売しているGalaxy TabPro Sは、システムメモリ4GB、内蔵ストレージ容量128GBのモデルのみで価格は899ドルだ。12.9インチiPad Proの場合、同じ容量のシステムメモリと内蔵ストレージの構成で価格は949ドルと高く、Smart Keyboard(価格169ドル)のような装着型キーボードを別途購入する必要がある。また、12.9インチiPad Proではシステムメモリ4GB、内蔵ストレージ32GB構成モデルが799ドルで販売しているが、これに対応する構成のGalaxy TabPro Sはない。
(なお、12.9インチiPad Proの2016年5月時点における日本市場販売価格は、税別でシステムメモリ4Gバイト、内蔵ストレージ128GBのWi-Fiモデルが11万2800円、システムメモリ4GB、内蔵ストレージ32GBのWi-Fiモデルが9万4800円、Smart Keyboardが1万9800円になる)
今回の1対1による比較では、どちらのモデルにも強みを持つ分野があることが分かった。12.9インチiPad Proは、ディスプレイに優れ、パフォーマンスが高速で、ワイヤレスと内蔵ストレージの選択肢が多く、バッテリー持続時間が長い。一方のGalaxy TabPro Sは、携帯性に優れ、前面カメラの性能が高く、装着型のキーボードが標準で付属する。
オフィスや学校でメールやシンプルなテキスト主体のドキュメント、小規模なスプレッドシートを扱う演算処理に使う大画面のタブレットやノートPCを探しているなら、どちらも適切な選択肢になる。作業効率に影響する画面表示領域を優先するなら12.9インチiPad Proがより好ましいだろう。ただし、これはコストを考慮しない場合の評価だ。
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