SANをハイブリッドフラッシュに置き換えて年1140万円のコストを削減なぜストレージ変更でコストが下がるのか

HDSのSANストレージをTintriのハイブリッドフラッシュにリプレースすることで、年間で約1140万円のコストを削減したという。コストが下がった要因とは?

2017年10月17日 08時00分 公開
[Antony AdsheadComputer Weekly]
Computer Weekly

 マネージドサービスプロバイダーのBrightCloudは、従来型SANストレージをTintri製の仮想マシン(VM)対応ハイブリッドフラッシュストレージに置き換えた。これにより、同社はデータセンターのコストと人件費を年間約8万ポンド(2017年9月時点で約1140万円)削減している。

Computer Weekly日本語版 10月4日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 10月4日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 BrightCloudが以前導入していたのはHitachi Data Systems(HDS)のブロックアクセスストレージだ。だが、同製品はLUN構造の管理に時間も費用もかかっており、サポートの終了も近づいてきた。

 同社は、ミルトンキーンズとロンドン、そしてその中間のクロイドンにデータセンターを構え、そこで約50社の中小企業をサポートしている。運用しているVMは約1000台に上る。

 同社はTintriへの移行により、HDSのLUNベースのブロックアクセスストレージから脱却し、データセンターのラックスペース節約とエンジニアの人件費削減に成功した。

 「HDSを非難するつもりはない。当社が直面していた問題はLUNベースのシステムの限界とその管理の難しさにあった。それは従来型のアレイ全てに共通する問題だ」と、同社でテクニカルオペレーションディレクターを務めるアンディ・グローバー氏は話す。

 「ファイバーチャネル、LUN、RAIDを使用するSAN環境の管理には非常に高い技術力を必要とする。恐ろしいことに、たった1つのコマンドでLUNや多数の情報、VMを削除してしまいかねない」

 時間のかかる厄介なプロセスの1つが、アレイのLUNを手動で負荷分散することだった。同社は、顧客のワークロードに影響を及ぼさずにこの作業を実行するよう計画を立てなければならなかった。

 ストレージとして従来型SAN、オールフラッシュ、ハイブリッドフラッシュ、ハイパーコンバージド形式を検討した結果、同社はハイブリッドクラウドストレージの「Tintri VMstore T850」を選び、各データセンターに1台、計3台を購入した。それぞれの容量は約30TBで、うち約8TBがフラッシュだ。

 Tintriが提供するのは、LUNを取り除き、使用中のハイパーバイザーにネイティブ形式でVMストレージをプロビジョニングするVM対応ストレージだ。Tintriはこのストレージによってその名が知られるようになった。

 Tintriのアレイは、VMware製品、「Microsoft Hyper-V」「Red Hat Enterprise Virtualization」「Citrix XenServer」といった仮想化プラットフォームを全てスケールアウトプールでサポートする。

 BrightCloudはHDSやViolin Memoryなどのオールフラッシュハイブリッドアレイを検討したが、グローバー氏によればこれらの製品は「事実上、LUN構造の保守的な製品」であるという。

 BrightCloudが従来型ストレージアーキテクチャから脱することを可能にしたのは、最後まで残ったTintriとハイパーコンバージドのNutanixだけだった。

続きはComputer Weekly日本語版 10月4日号にて

本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。


Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー

Computer Weekly日本語版 9月20日号 なぜ暗号通貨は主流にならないのか

Computer Weekly日本語版 9月6日号 乗るしかない この802.11ac Wave 2に

Computer Weekly日本語版 8月16日号 LinuxでもPowerShell


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

IOPSが5倍に向上&コストも80%削減、エクシングが選んだ大容量ストレージとは

カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。

製品資料 プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

データソート性能向上でここまで変わる、メインフレームのシステム効率アップ術

メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

従来ストレージの約8倍の容量を確保、エルテックスが採用したストレージとは

ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。

製品資料 日本ヒューレット・パッカード合同会社

空冷だけではなぜ不十分? データセンターの熱負荷対策をどうする

CPUやGPUの性能向上に伴い、データセンターでは今、発熱量の増加にどう対応するかが課題となっている。特に高密度なサーバ環境では、従来のファンやヒートシンクに頼るだけでは熱管理が難しい。こうした中、企業が採用すべき手段とは?

製品資料 Dropbox Japan株式会社

ファイルサーバをアウトソーシング、「クラウドストレージサービス」の実力

中堅・中小企業の中には、IT担当者が社内に1~3人しかいないという企業も少なくない。そのような状況でも幅広い業務に対応しなければならないIT担当者の負担を減らす上では、ファイルサーバをアウトソーシングすることも有効だ。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...