振り込め詐欺や還付金詐欺に利用される「不正口座」を早期に見つけ出すため、さまざまな対策を実施してきたセブン銀行。被害の未然防止に向け、より広い視点で口座の動きを解析するために着手したこととは。
古今東西、犯罪者の多くは「カネ」を狙ってきた。そのカネが行き来し、資産として保管される「銀行」も、しばしば犯罪者のターゲットとなっている。新たな手口が生まれるたびに銀行側はさまざまな対策を講じてきたが、犯罪者とのいたちごっこは続いてきた。それは、インターネットを用いた取引が当たり前の時代になっても変わらない。
コンビニエンスストア「セブン-イレブン」の店舗を中心に、2万3000台以上のATM(現金自動預け払い機)を設置し、提携金融機関と共にATM・金融サービスを展開するセブン銀行も、顧客向けサービスの改善、拡大と同時に、金融犯罪の防止に取り組んできた。ATM操作時の安全性を高めるため、監視カメラをはじめとする物理的な対策を取ると同時に、インターネットバンキングのセキュリティを確保するため、専用アプリケーションやワンタイムパスワードを用いて認証を強化。不正送金マルウェアによる被害を防止している。
もう1つ、セブン銀行が力を入れているのが、振り込め詐欺や還付金詐欺をはじめとする犯罪に利用される「不正口座」のチェックだ。こうした詐欺では、犯人が被害者から現金を手渡しで受け取るケースの他に、犯人側が不正に用意した口座に振り込みをするよう、被害者に指示するケースがある。不正口座は、架空名義や第三者からの譲渡といった不正な手段で開設された口座のことだ。
不正口座は不正取引の温床になるため、早期の発見が重要になる。不正口座を洗い出し、実被害が発生する前に食い止めたい――セブン銀行はそんな狙いで、さまざまなシステムを導入して口座監視システムを構築してきた。「『未然防止』に力を入れている。不正が起きてから見つけても、事後処理にしかならない。不正が起きる前に、どれだけ見つけられるかがポイントになる」。セブン銀行の金融犯罪対策部7BK-CSIRT次長、安田貴紀氏はこう述べる。
事業拡大に伴って、セブン銀行の取引件数は増加の一途(いっと)をたどっている。日々大量に生じる取引情報の中から、疑わしい口座をどのように効率的に見つけ出すかが、同行にとって大きな課題となっていた。
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