コネクテッドカーもIoTデバイスの一種である以上、セキュリティの脅威と無縁ではいられない。自動車メーカー各社はどのようにして自社のネットワークを安全に運用できるのか、慎重な判断が必要だ。
筆者は時々、既に未来が来ているのではないかという錯覚にとらわれることがある。父親が乗っていた1970年型「Ford Escort」はマニュアル車で、エアコンは備えていなかった。後部座席にはシートベルトも付いていなかった。当時は後部座席でシートベルトをする人などいなかったからだ。だがどういうわけか、シートベルトを付けずに白く輝くFordの新車を乗り回すのは危険だという不安が父の頭をよぎることはなかったようだ。45年後に「Tesla」のような技術を搭載した電気自動車が登場し、自動車業界の次の大きな変革が自動運転車になろうとは、当時、誰が予想しただろうか。
自動車産業の未来に向けて進行中の革命は大きな可能性を秘めている一方で、深刻な脅威もはらんでいる。その脅威は個人のレベルにとどまらず、全世界規模で各国に影響を及ぼす可能性がある。こう書くと大げさだという批判もあるだろうが、以下の説明を読んでいただきたい。現在開発が進んでいるインテリジェント型コネクテッドカーは基本的にモバイルIoTデバイスであり、ディーラーから顧客の手に渡った後も長い間、自動車メーカーの社内ネットワークに組み込まれたままなのだ。
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