企業のセキュリティ対策に関する調査レポート
「GDPRを知らない」が17.0% 「エンドポイントセキュリティ」に根強い関心
企業はどのようなセキュリティ製品/技術に投資しているのか。GDPRの対策状況はどうか。TechTargetジャパン会員を対象にした調査の結果から、企業のセキュリティ対策の実態を探る。
TechTargetジャパンは2018年5月から6月にかけて、TechTargetジャパン会員を対象に「セキュリティ対策に関するアンケート調査」を実施した。調査結果からは、企業のセキュリティ対策の状況や、セキュリティ製品/技術に関する投資意向が明らかになった。
調査概要
目的:TechTargetジャパン会員を対象に、セキュリティ対策に関する課題や関連製品の導入状況について調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2018年5月30日~6月30日
総回答数:153件
※回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。
法制度の順守は、企業のセキュリティ投資を促す原動力になっている。勤務先が過去6カ月以内にセキュリティ投資の対象としてきた業務課題を聞いたところ、「働き方改革」(28.1%)や「モバイルデバイス活用」(20.9%)、「クラウド活用」(18.3%)を抑えて、「個人情報保護法の順守」(34.6%)がトップとなった(図1)。2018年5月25日に施行された、欧州連合(EU)の「一般データ保護規則」(GDPR)の順守(17.7%)も5位となり、国内外のプライバシー保護関連の法制度順守が、直近の主要課題だったことが分かる。
GDPR対策済みは18.3%、「対策の予定なし」も3割
GDPRは、EUに在住する人の個人データを取り扱う場合、EU域外の企業でも適用対象となる。違反すれば、最大で2000万ユーロ、または全世界年間売上高の4%以下のどちらか高い方という、高額な制裁金が課される。国内の現状を見ると、順守のための対策に着手している企業は、それほど多くない。勤務先でのGDPR対策の状況について聞くと、「対策が完了している」との回答は18.3%にとどまった(図2)。
「対策はしているが追加の対策を検討中」(12.4%)、「これから対策を始める」(22.9%)と合わせると、何らかの取り組みを進めているのは53.6%と過半数に達する。一方で「対策の予定なし」が29.4%、「GDPRを知らない/分からない」が17.0%に上ったことは見逃せない。GDPRの規制対象となる個人情報を保有しているかどうか、十分に把握できていないとすれば、早急な確認と対策が必要になる。
勤務先がGDPR対策の一環として新たに導入した製品/技術に関する問いでは、なりすましや不正ログインを防ぐ「各種認証」(12.4%)に加え、「バックアップ/リカバリー」(9.2%)、「モバイルデバイス管理(MDM)」(8.5%)といった製品が挙がった(図3)。各種認証のうち、モバイルデバイスを中心に活用が進む生体認証では、顔や指紋といった生体データを利用する。GDPRは、個人を特定できるデータとして生体データを保護対象としており、適切な管理が不可欠となる。
新旧エンドポイントセキュリティに脚光
標的型攻撃は、一部の企業を狙った特殊な攻撃としてではなく、あらゆる業種や規模の企業を対象とした脅威として対策が進んでいる。勤務先が過去6カ月以内にセキュリティ投資の対象としてきた脅威は、「標的型攻撃」が41.8%でトップとなった(図4)。その他で目立つのは、マルウェア対策への関心の高さだ。「ランサムウェア」(身代金要求型マルウェア)が33.3%、「未知のマルウェア」が27.5%と、マルウェア関連の脅威が2位と3位に入った。
勤務先が過去6カ月以内に導入・刷新したセキュリティ製品/技術を聞くと、2位「メール誤送信対策」(8.5%)以下に大差をつけて1位になったのが、「各種ウイルス/マルウェア対策」(23.5%)だった(図5)。3位に「次世代エンドポイントプロテクション」(NGEPP、7.8%)、4位に「エンドポイント脅威検知・対処」(EDR、7.2%)と、新旧のエンドポイントセキュリティ製品がそろって上位に挙がった。
NGEPPは脅威情報データベースの「セキュリティインテリジェンス」や機械学習技術を活用し、未知のマルウェアをはじめ、従来のマルウェア対策製品では防ぐのが難しかった脅威への防御を図る。EDRは脅威の検知、調査、対処といったインシデントレスポンスの支援に焦点を当てている。
エンドポイントセキュリティ製品に対する投資意欲は根強い。導入・刷新に向けた具体的な製品選定を進めている、もしくは製品選定を終えたセキュリティ製品/技術を聞いたところ、「各種ウイルス/マルウェア対策」(26.8%)、「NGEPP」(11.8%)、「EDR」(10.5%)と、エンドポイントセキュリティ製品が上位を独占した(図6)。
実行ファイルを残さない「ファイルレスマルウェア」をはじめとする新たな攻撃手法の登場、モノのインターネット(IoT)の普及によるネットワーク接続型デバイスの増加など、エンドポイントセキュリティを取り巻く状況は変化を続けている。重要な情報が生成される場所であり、攻撃の発生ポイントになりやすいエンドポイントは、今後もセキュリティ対策の重要性が高まるはずだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握 -
製品資料
[株式会社マクニカ] 「脆弱性総まとめ」解説 被害事例から考える必須の対策ポイント -
製品資料
[Splunk Services Japan合同会社] サイバー脅威「トップ50」完全解説ガイド、新たな攻撃手法に対抗するには -
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」完全ガイドブック:メリットから資格取得のポイントまで -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] はじめての「自治体/官公庁入札」 必要な知識がすぐに学べる入門ガイド
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
2
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
3
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
4
AI基盤は本当に「オンプレ回帰」する? Broadcomの言い分と企業の本音
-
5
「技術屋」で終わらないために 情シスが今取るべき認定資格5選
-
6
「世界一給与にハングリー」な日本のエンジニアが“雇用の安定”を求める理由
-
7
「Linuxサーバの長期運用とRed Hat Enterprise Linux」に関するアンケート
-
8
「IoT通信環境の構築・運用」に関するアンケート
-
9
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
10
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー