ランサムウェアが新聞配達を止めた サイバー犯罪によるビジネス被害が現実にマカフィーの2018年脅威レポート

McAfeeは2018年第3四半期における脅威レポートを発表した。企業団体のビジネスを阻害する大規模なサイバー犯罪が後を絶たず、そうした事件が日本で起こることも十分考えられる。

2019年01月24日 05時00分 公開
[大久保 心織TechTargetジャパン]
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 「ビジネスの停止を狙ったサイバー犯罪が日本で起こる可能性は十分ある」。McAfeeでシニアセキュリティアドバイザーであるスコット・ジャーカフ氏はこう語る。同氏は2018年の重大なサイバー犯罪の中に、ビジネスに深刻な被害をもたらしたものが複数あったと指摘する。IoT(モノのインターネット)デバイスへの攻撃検出数が急増していることも、最近の特徴的な動きだという。

複数新聞社が印刷と配達を止められる事態に

画像 写真1 McAfee Labsが検出したランサムウェア数の推移(出典:マカフィー)

 McAfeeが2018年12月に発表した2018年第3四半期(7〜9月)の脅威レポートによると、新たなランサムウェア(身代金要求型マルウェア)は2017年の第4四半期に最も多く検出されて以降、落ち着いてはいるものの(写真1)、依然として猛威を振るっている。データや情報を盗み出すのではなく、重要なデータを「人質」に取り、高額な身代金を要求するこの手法は、2018年12月に大きな事件を起こした。

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