マルウェア被害を最小限に抑えるインシデント対策に必要な4つの要素エンドポイント、サーバ、データ、あと一つは

ウイルスやスパイウェアなどのマルウェア攻撃は、実際に攻撃を受けたときの内容や規模を予想しづらい。本稿では、未知の要素を取り除き、細部までしっかりと詰めた計画を立てるためのポイントを解説する。

2019年02月01日 05時00分 公開
[Nick CavalanciaTechTarget]
photo

 2018年前半から後半にかけて、マルウェア攻撃は増加すると見込まれていた。ここでいうマルウェアとは、ウイルス、ワーム、スパイウェア、トロイの木馬など、企業に深刻な被害をもたらす脅威の全てを指す。重要なデータの窃盗、暗号化、削除などどんな目的の攻撃でも、復旧するにはマルウェアによるインシデントへの対応計画を適切に用意することが不可欠だ。

 SonicWallは年度の半ばに更新する「2018 SonicWall Cyber Threat Report」(2018版SonicWallサイバー脅威レポート)で、次のようにマルウェア攻撃の増加を報告している。

  • マルウェアの量は102%増
  • ランサムウェア攻撃は229%増
  • 暗号化攻撃は275%増
  • 仮想通貨採掘スクリプト「Coinhive」を使ったクリプトジャッキング(他者のコンピュータで不正に仮想通貨を採掘する攻撃)は2018年前期に560万件起こった

 マルウェアによるインシデントへの対応計画を策定する際に問題となるのが、実際の攻撃の状況が予想を上回ることが多い点だ。セキュリティ啓発トレーニングベンダーのKnowBe4によると、攻撃の影響を受けるシステムの数はワークステーションが平均16台、サーバが平均5台だという。しかし米国の銀行National Bank of Blacksburgが最近受けた攻撃では、500台のワークステーションと、150台ある同行のサーバのうち120台が影響を受けている。

 攻撃を受けるシステム、アプリケーション、データの数はともかく、いつ攻撃を受けるかは前もって把握できない。こうした未知の要素も、マルウェア対応計画に含めなければならない。この種の被害への備えを進める場合、企業環境には、最終的に復旧が必要な注意すべき領域が幾つか存在する。

マルウェア被害の拡大を防ぐために注意すべきポイントとは

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news191.gif

売上高100億円以上の企業に調査 生成AIの「マーケティング」への活用意向は?
ウイングアーク1stは、売上高100億以上の企業に勤務する部長などのマネジメント層535...

news131.jpg

Instagramでバカ正直に「広告」を明示するとリーチが下がる? 責任者の回答は……
Instagramの責任者であるアダム・モッセーリ氏は、自身のアカウントでの情報発信シリーズ...

news076.jpg

Xは? TikTokは? Metaは? トランプ氏勝利で笑うソーシャル、泣くソーシャル
4年ぶり2度目のトランプ政権が実現することで、主要ソーシャルメディア各社はどのような...