法律事務所へのAI技術の導入によって、価値が低く時間のかかるパラリーガル業務の削減に効果があった。実働時間に応じた請求書の発行から特許情報データのマイニングまで、適用業務は幅広い。
法律専門職は主に人の領域であり、法律専門業務と事務処理業務は極めて属人的な作業だ。通常、裁判官や陪審員、弁護士間の議論にマシンが介入することはない。にもかかわらず、法律業界への人工知能(AI)技術の導入により、法律専門業務のプロセスと活動の強化が確実に進んでいる。
弁護士業の大部分は、文書ベースのプロセスと人間中心のワークフローによって構成されている。機械学習をはじめとするAI技術の応用の研究者は、法律業界にもインテリジェント技術を導入する時期が到来しつつあると考えている。実際、弁護士業では、運用の改善、文書処理の強化、法的手続きの迅速化を支援するために、AIシステムを使用することですぐにメリットが得られる。
弁護士業務管理システムでは、毎月または一定期間ごとにクライアントごとの請求可能時間を集計し、請求書を自動的に発行するAI機能の追加が急がれている。このシステムは、機械学習を使用して作業時間のパターンを発見し、効率的に結果を出力して、可能性のある追加作業を特定することができる。業務時間の集計と請求の誤りを発見して、誤った請求を避けることも可能だ。
法律業界におけるAI技術の用途として、文書の分類やテキストの要約が特に効果的だ。これらの機能は、文書を自動的に分類および分析することができるシステムへと進化して、契約書から裁判所の通知書面まで膨大な量の法的文書の要約と調査を可能にすると期待されている。自動化された機械学習システムは、文書を読んで標準的な回答書を作成する作業を法務アシスタントにしてもらう代わりに、文書固有の処理業務を学習して自動的に実行するか、必要に応じて文書を新規作成することができる。これらのAIシステムは、開示目的の文書の関連性を整理しランク付けすることにも使用できる。
法律事務所は、法的手続きを強化するために音声アシスタントを利用している。Amazon.comの「Alexa」やMicrosoftの「Cortana」、Appleの「Siri」などの仮想アシスタントは、ドキュメントを検索したりクライアントと対話したりするための会話型インタフェースを従業員に提供する。仮想アシスタントは、法律事務所とさまざまな当事者との間で自動応答および対話を提供することにより、法的手続きを迅速化し、コストを削減し、顧客満足度を高める。
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