Intel製プロセッサの処理を高速化する「投機的実行」の仕組みに潜む新たな脆弱(ぜいじゃく)性が明らかになった。この脆弱性は「CacheOut」と呼ばれる。CacheOutを悪用した攻撃は、同じく投機的実行に潜む「Meltdown」「Spectre」「ZombieLoad」といった、これまでに見つかった脆弱性の対策では防げない可能性がある。CacheOut攻撃は、2018年第4四半期(10〜12月)より前に販売されたIntel製プロセッサでデータ漏えいを引き起こす恐れがある。
CacheOutより前に観測された、投機的実行に関する脆弱性に「Microarchitectural Data Sampling」(MDS)がある。攻撃者はMDSを悪用することで、プロセッサのバッファーにあるデータを不正に取得できるようになる。ただし、どのようなデータを取得するかについては、ほとんどコントロールできない。
IntelはMDSを悪用した攻撃への対策としてパッチを提供した。このパッチを適用すると、ハードウェアレベルのセキュリティ機構「Intel Software Guard Extensions」(Intel SGX)で利用する隔離領域「エンクレーブ」などのセキュアなメモリ領域が変更されるときにバッファーを上書きする。これにより攻撃者が盗み出そうとしたデータが危険にさらされることを防ぐ。
攻撃者がCacheOutを悪用すると、こうしたバッファーを上書きする対策を回避できるだけでなく、プロセッサからどのデータを不正に取得するかを「かなりコントロールできる」と研究チームは説明する。CacheOut攻撃は、「ほぼ全ての」Intelプロセッサにあるセキュアなメモリ領域を侵害するという。
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