TP-Link製ルーターに侵入する犯罪者集団「カマロドラゴン」の悪質な手口とは?狙われる「TP-Link製ルーター」 その安全性は【前編】

サイバー犯罪集団「Camaro Dragon」は、TP-Link製ルーターを標的にした攻撃を積極的に仕掛けている。同集団が使っている手口はどのようなものなのか。

2023年07月12日 10時00分 公開
[Alexander CulafiTechTarget]

 サイバー犯罪集団「Camaro Dragon」(カマロドラゴン)が、中国のネットワーク機器ベンダーTP-Link製のルーターを狙った攻撃活動を実施している――。セキュリティベンダーCheck Point Software Technologiesは2023年5月、こう発表した。中国政府が支援しているとみられるCamaro Dragonは、どのようにしてTP-Link製ルーターを狙っているのか。

TP-Link製ルーターに侵入する手口は?

 Check Pointの研究部隊によると、Camaro Dragonはマルウェア「Horse Shell」を使ってTP-Link製ルーターに侵入。通信を確立させたまま、標的のネットワーク内部を移動して攻撃を広げる「ラテラルムーブメント」を実行する。Horse Shellには感染したルーターに対してコマンドを遠隔実行する機能や、感染したルーター間でファイルを転送し合う機能などがある。

 Horse Shellは特定の製品に依存しないため、TP-Link以外のルーターへの不正アクセスにも使えるとCheck Pointは説明する。Check Pointによれば、原稿執筆時点ではTP-Link以外のルーターがHorse Shellによって攻撃を受けた証拠はない。ただし過去の事例を踏まえ、各社ルーターのユーザー企業は、攻撃リスクを意識してセキュリティを強化する必要があるという。


 中編は、Camaro DragonによるTP-Link製ルーター侵入の手口を考察する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news047.jpg

SASのCMOが語る マーケティング部門が社内の生成AI活用のけん引役に適している理由
データとアナリティクスの世界で半世紀近くにわたり知見を培ってきたSAS。同社のCMOに、...

news159.jpg

SALES ROBOTICSが「カスタマーサクセス支援サービス」を提供
SALES ROBOTICSは、カスタマーサクセスを実現する新サービスの提供を開始した。

news139.jpg

「Fortnite」を活用  朝日広告社がメタバース空間制作サービスとマーケティング支援を開始
朝日広告社は、人気ゲーム「Fortnite」に新たなゲームメタバース空間を公開した。また、...