近年、企業のマルウェア対策において、AI技術を用いた対策の必要性が高まっている。その理由と背景を解説する。
マルウェア攻撃を受けた企業は、経済的損失や評判の低下、顧客の信頼喪失などを被る恐れがある。サイバー攻撃の手法が巧妙化し、攻撃が頻度に繰り広げられる中で、人工知能(AI)技術をはじめとする先進的な技術を取り入れたセキュリティ対策は必須だ。
マルウェア攻撃による被害を防ぐためには、機械学習(ML)などのAI技術を組み合わせたセキュリティツールを導入することが効果的だ。その背景には、以下4つの理由がある。
近年、従来のマルウェア対策ソフトウェアやファイアウォールといったセキュリティ対策を回避する、高度なマルウェアが登場している。AI技術を搭載したセキュリティツールは、従来の手法では検出できないマルウェアを検出し、侵入を防ぐことに活用可能だ。
大半のサイバー攻撃者は標的型攻撃を仕掛ける際、高度なマルウェアを使用する。マルウェアの振る舞いを分析し、疑わしいアクティビティーを特定することは、標的型攻撃を検出し、被害を防止することにつながる。
マルウェア攻撃によるデータ侵害が発生すれば、莫大な復旧コストがかかり、事業に悪影響が及びかねない。機密情報を侵害する可能性のあるマルウェアを、AI技術を用いて検出し、被害を食い止めることで、データ侵害のリスクを軽減できる。
規制に関する要件として、高度なマルウェアに対処できるセキュリティツールの使用を課す業界がある。こうした業界において、要件を順守できない企業は罰金や法的措置を課せられる恐れがある。
第3回は、AI技術でどのようにマルウェア攻撃を防ぐのかを解説する。
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