SSDとHDDを容量やコストで比較すると、以前に比べて両者の違いは埋まりつつあると言える。実際にはどれだけの違いがあるのか。価格と容量の観点で、SSDとHDDを比較する。
いまやPCが「HDD」を搭載することはほとんどないが、企業のデータセンターにおいてHDDは「SSD」と同様に主流のストレージだ。HDDもSSDも独自の進化を続ける中で、いま両者をどう比較すればいいのか。データ読み書きの速さでは、HDDとSSDの差は容易には縮まりようがない。だが容量と価格の観点だと、どちらが優位なのかを一言で明言することはできない。実態はどうなのか比較してみよう。
記録容量については、HDDは1台当たり22TB、24TBといった20TB台の製品をSeagate TechnologyやWestern Digitalといったベンダーが提供している。Seagate Technologyは30TBのHDDを2024年に出荷開始すると発表するなど、最大容量はまだ伸びている。
SSDの容量はHDDよりも小さいと考えられがちだが、60TBを超えるSSDも販売されている。総じてSSDの容量はHDDよりも小さい。この傾向があるのは、SSDの方が単価が高いためだ。
1GB当たりのコストでは、SSDとHDDの差は縮まっている。HDDの1GB当たりの単価は大きく下がることなく横ばいで推移しているのに対して、SSDの価格は下がっている。
英Computer Weekly独自の分析では、2023年末の時点でSSDはHDDよりも1GB当たり25%から50%ほど価格が高い。
2023年10月時点の価格は以下の通りだ。
これらのデータは、Webサイト「Disk Prices」が通販サイト「Amazon.com」で扱いのあるストレージ製品の価格を集計している情報を基に、Computer Weeklyが独自に分析したものだ。
SSDやHDDを使う場合の総コストは、運用の手間や電気料金にも左右される。そのため、「1GB当たりの価格だけではコストの比較ができない」と主張するストレージベンダーもある。
次回は、SSDとHDDの現状の採用状況を基に、今後の先行きを考える。
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