SSDとHDDの違いを正しく評価する上で欠かせないポイントになるのが、読み書きの速度に影響するパフォーマンスだ。速さに影響するパフォーマンスを細分化して考えると、より分かりやすくなるはずだ。
「SSD」と「HDD」にはどのような違いがあり、どちらを使えばいいのか――。容量やコストなどももちろんSSDとHDDを比較する上での欠かせないポイントになるが、まずは読み書きの速度に影響する観点で両者を比べてみるといい。HDDはなぜ「SSDの速さ」には勝てないのか。SSDとHDDにはどのような根本的な違いがあるのかを押さえておこう。
SSDとHDDをデータ読み書きのパフォーマンスで比較した場合、SSDの方が倍以上高速になることが一般的だ。
速さに影響する要素の一つになるのが、読み書きのリスエストを出してから応答が返ってくるまでにかかる遅延時間である「レイテンシ」だ。SSDはHDDに比べて、レイテンシが小さい。
リード(読み出し)時間で比較すると、HDDが数ミリ秒であるのに対し、SSDはマイクロ秒(1秒の100万分の1)単位にまで高速化することがある。こうした特性があることから、ストレージアレイに複数台のSSDを集約して利用する場合、HDDよりも大幅にIOPS(1秒当たりの入出力数)を増やすことが可能になる。
スループット(データ転送速度)で比較しても、SSDとHDDには明らかな違いがある。仕様によって大きく異なることがあるので一概には言えないが、SSDのデータ転送速度はHDDよりも5倍程度高速になることがある。
こうしたパフォーマンス面での高速性は、企業がSSDをフラッシュストレージアレイとして集約して利用する主な魅力の一つになっている。
SSDとHDDのパフォーマンスの違いは、何に左右されているのか――。その大きな違いは、内部に可動部品を搭載しているか否かにある。HDDは記録媒体として、回転する円盤であるプラッタ(磁気ディスク)を搭載している。データを読み書きする磁気ヘッドといった部品もある。
SSDは記録媒体として「NAND型フラッシュメモリ」を搭載しており、HDDが筐体(きょうたい)内部に搭載しているような可動部品を搭載していない。HDDのパフォーマンスを改善する上での制約になってしまっている要素が、SSDにはもともとないのだ。
次回は、SSDとHDDをコスト効率の観点で比較する。
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