これを読んでいる読者に課題を出そうと思う。人気ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のFacebookに加入すること。
こんな課題を出したのは、SNSのパワーと、会社の成長に果たし得る役割について真に理解してもらうためには、その必要があると思ったからだ。自分で使ってみなければ、専門家が不可避だと言っている意味が決して分からないだろう。
「批判するのは結構だが、理解が必要だ」と、米FedExの執行副社長兼CIO、ロブ・カーター氏は言う。同氏はこのほど米テネシー州メンフィスで開かれた「SIMposium 2007」で、SNS現象について講演した。
カーター氏は講演で、ビジネスとしてのネットワークの在り方を変えると目されるWeb2.0技術を幾つか紹介した。Facebook、YouTube、Second Lifeといったサイト、およびこれらサイトの行く末が、コミュニティーの定義を変えると同氏は言う。同様に、WikipediaやオンラインゲームのWorld of Warcarftといったプラットフォームの絶大な人気の影響で、プロジェクトへのアプローチに対する考え方も変わってくるという。
わたしがFacebookに登録したのは、高校生の娘がこのSNSを使っているのに当惑し、同時に興味を持ったからだ。娘の年代ではこのような形のソーシャライズが大人気だが、娘やその友達がどうしてわざわざこの媒体で交流するのかわたしは理解できなかった。理解できないのが嫌になり、どんなものか自分で見てみたいと思った。

娘はいぶかりながらもわたしに基本的な操作を教えてくれ、ページの設定を手伝ってくれた。娘はわたしの最初の「友だち」になったが、お互いどうも居心地が悪い気がするのは認めざるを得ない。ほかの友だち(実際の友人)にも友だち登録を懇願して小さなグループ(わずか15人で、娘の227人とは比べ物にならない)を作り、定期的に仮想ソーシャライズするようになった。3カ月たった今、正直言って(自分でも驚いたことに)納得した。これからもずっと楽しみ続けるかどうか、積極的に活動していくかどうかは分からないが、この話題になったとき、少なくともやったことがあると言うことはできる。
カーター氏などが講演で、こうしたサイトを使っている「自分たちの子供世代のティーンエージャー」について語り、この世代の「テクノロジー観」について語ると、会場では多くの人がうなずいたり、分かったようなそぶりで周りと言葉を交わしたりしていた。しかしわたしは、SNSとその仕組みについて、表面的な部分以上を理解している人がどれくらいいるのかと疑問に思った。
そこで休憩時間に多数のIT管理者と話をし、SNSに関する知識を問いただした。ほとんどはSNSを、セキュリティと生産性の観点から問題だとみなしていたが、MySpaceやFacebookのようなサイトについて実はよく知らないことを認めた。従業員の採用時に応募者をFacebookやMySpaceで検索するという人は少数いた(秘密にしていることもプロフィールページで分かるだろうという考えだ)。サイトを使ってみたことがある人は誰もいないのに、自分の子供がSNSをどう使っているかは分かっていると信じていた。驚いたことに、会社としてSNS禁止のポリシーを定めていたり、禁止を検討しているという人は1人もいなかった。最近の調査では、企業の50%近くがSNSを禁止していると答えているのだが。
ちょっと説明してみると、何人かがやってみようという気になってくれた。こうした人は少なくとも、SNSに関する話題が持ち上がったとき、知識は増えているだろう。
わたしたちはデジタル移民であり、子供たちやこれから採用する人材の多くはデジタル先住民だ。「彼ら対わたしたち」の心理的障壁を克服しなければならない。つまり、デジタル移民は先住民ほど定着してはいないが、移民だからといって新世界に自分たちが存在しないかのように振舞っているわけにはいかないのだ。
残念なことに、旧世界を懐かしむCIOやIT管理者はあまりに多い。
わたしの課題を受け入れてアカウントを作成する場合、うまくやるためには1つ注意すべき点がある。真にSNSを体験するためには「友だち」がいなければいけないということだ。友だちとは、自分のサイトに招待したり受け入れて、自分のFacebookプロフィールを通じて交流を認める相手のことだ。友だちは自分の投稿にコメントしたり、質問に答えたり、写真を見ることができる。最初の友だちがいないという人は、わたしを「友だち」にしてもいい。Facebookで「Kate Evans-Correia」を検索するとわたしの名前が見つかり、「友だちに追加する」機会が提示される。あなたがわたしを「友だち」に追加すると、わたしのところには確認メールが送られてくる。ここで鍵となるのは自分のページを作成し、アプリケーションを追加することだ(仕事に使えるものもたくさんある)。静的なページにしておいてはいけない。それでは意味がない。
わたしのネットワークが広がるのと同時に、あなたのネットワークも広がることを期待する。そうすれば、SNSの潜在的メリット(あるいはデメリット)が見えてくるはずだ。Facebookをしばらく(1カ月程度)使ってみたら、感想を知らせてほしい。あなたがSNSを好きでも嫌いでも、まったく無関心でも構わない。カーター氏のアドバイスに従って、少なくとも理解していただければと思う。
本稿筆者のケイト・エバンズ−コリーア氏はTechTargetのニュース担当上級ディレクター。