オフショア開発は言語や文化の違いによって成功しにくいといわれる。しかし、本当に原因はそれだけなのか? 全社レベルでのオフショア開発の推進を目指し原因を調査したX社は、別の理由があることを突き止めた。
近年、システム開発に関するコスト削減や開発要員の確保に関する問題への解決策の1つとして「オフショア開発の導入」を検討する企業も多い。しかし、単価の安い海外へ業務を単純に放り投げるような認識でオフショア開発に取り組むと、さまざまな問題に直面してトラブルに見舞われる。
今回は、全社レベルでのオフショア開発導入の推進が契機となり、自社の開発・管理プロセスや開発業務へ取り組む姿勢を見直すに至ったX社の事例を紹介する。
X社は、さまざまな分野における大規模開発を請け負う数千人規模のシステム開発企業である。主に国内ベンダーとの準委任契約によって、パートナーの開発要員で構成されるチームを社内に配置して開発を行っていた。
X社の経営陣は、近年、開発案件数が減少し、現状の収益構造では今後も継続して収益を伸ばすことが困難になると予測していた。また、競合他社との差別化や競争力の強化が課題となっていた。さらに、IT業界全体の要員不足傾向の影響を受け、優秀な人材の確保が困難であることも認識していた。
そこでX社の経営陣は、上記の問題への対応策として、安価で豊富な人員資源を活用するために「中国でのオフショア開発の推進」を経営方針として打ち出した。
X社では一部の開発部署において、数年前から先行して中国の開発ベンダーとのオフショア開発を試験的に導入していた。また、オフショア開発を経験したプロジェクトマネジャーも多く在籍していた。その中でも、多くのプロジェクトを手掛け、中国の文化や言語にも精通したN氏をリーダーとして、経営陣直轄の「オフショア開発推進チーム」(以下、推進チーム)が結成された。
まずN氏は、オフショア開発の経験を持つプロジェクトマネジャーで構成されるワーキンググループ(WG)の設置を経営陣に依頼した。次に、WGメンバーの経験やアドバイスを基にして、推進チームが導入促進活動を行う体制を構築した。
一般的に認識されている「中国におけるオフショア開発のメリット」として、主に以下の点が挙げられる。
X社の経営陣は上記のメリットを踏まえて、先述した同社の抱える問題への有効な対策になると判断し、中国でのオフショア開発を全社レベルで導入することを経営方針として決定したのである。
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