ビッグデータからクラウドへとつながるストレージの潮流エンタープライズ向けストレージ製品紹介:総括(後)

データが増え続けるビッグデータ時代に対応できるよう、ストレージベンダーは自社製品にさまざまな工夫を盛り込んでいる。この傾向は今後も当分続くと考えられる。

2011年10月26日 09時00分 公開
[吉村哲樹]

 前回の「徹底比較! 主要8社のハイエンド向けストレージ製品」に引き続き、連載「エンタープライズディスクストレージ製品紹介」で紹介したエンタープライズ向けストレージ製品の動向を踏まえ、ストレージ市場全体のトレンドや今後の展望などを総括する。

ビッグデータ時代、さらに多様化するストレージ製品

 「ビッグデータ」という言葉が最近よく聞かれるようになったように、今日のエンタープライズ向けストレージ製品では「増え続けるデータをいかに効率良く管理できるか」を問われている。その点について、各ストレージベンダーは自社製品にさまざまな工夫を盛り込んでいる。こうした傾向は今後も当分は続くものと思われる(関連記事:ゼタバイト時代の企業ストレージ環境とは)。

 日本アイ・ビー・エムの「IBM XIV Storage System Gen3」は、スケールアウト型のアーキテクチャを採用している。スケールアウト型というと、少し前まではファイルサーバ用途で使われるローエンド、ミドルレンジ向けNAS(Network Attached Storage)製品というイメージが強かった。現在はハイエンドストレージにもスケールアウト型の製品や、スケールアップ型であっても柔軟な拡張性を重視する製品が増えている。

 例えば、EMCジャパンの「Symmetrix VMAX」は、「VMAXアーキテクチャ」という独自の方式でストレージアレイのコントローラー部が複数のモジュールからなる「グリッドアーキテクチャ」を採用している。基本的にコントローラーの拡張は、追加のモジュールを筐体に挿し込むだけで済む。

 また、データ容量の拡大に対して独自の方式で対処しているのが、日本オラクルの「Sun ZFS Storage Appliance」だ。この製品はSolarisに搭載される最新のファイルシステム「ZFS」の機能を活用することで、従来のOSでは扱うことが難しかった大容量ファイルを簡単に扱えるのが特徴だ。

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