EMCが提供するハイエンドストレージ製品「Symmetrix VMAX」には、サーバ仮想化の本格普及やクラウド環境への移行などを見据えた機能が実装されている。
世界最大のストレージベンダーとして、ハイエンドからローエンドまで幅広いストレージ製品のラインアップをそろえるEMC。
そんな同社が2009年4月に発表した最新のハイエンドストレージ製品が「Symmetrix VMAX」(以下、VMAX)である。EMCでは同製品と、「Symmetrix DMX」シリーズの最新版「Symmetrix DMX-4」(以下、DMX-4)の2製品を提供している。DMX-4は既にハイエンド分野で高い実績を持つ製品だが、一方のVMAXはDMX-4と何が違い、どのようなユーザーニーズをターゲットにしているのだろうか? エンタープライズ向けストレージ製品を紹介する連載の第4回は、EMCジャパンのVMAXを紹介する。
EMCジャパン テクノロジー・ソリューションズ本部 プロダクト・ソリューションズ統括部 プロダクト・マーケティング・マネジャーの若松信康氏は、VMAXについて「仮想化・クラウド時代の新たな要件に対応するべく開発された製品」と説明する。
現在のシステム環境ではサーバ仮想化でサーバが集約され、ストレージに掛かる負荷も高くかつ動的になっている。若松氏によると、新たな要件とは「アプリケーションからの高いI/O要求とその変化に動的に対応できる仕組み」のことを指すという。さらに、その先にあるクラウドコンピューティング環境への対応を見据えなければいけないとしている。
そうしたストレージへの新しい要件に応えるために、VMAXでは同社の旧来の製品とはまったく異なる内部アーキテクチャを採用している。一般的なハイエンドストレージのアーキテクチャでは、フロントエンドモジュールとバックエンドモジュール、そしてキャッシュメモリがそれぞれ独立して実装される。しかしVMAXでは、部品レベルで効率化するため、この3つをストレージエンジンとして統合し、エンジンの数を増やすことでスケールアップする仕組みになっている。
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