2010年10月に開始した「エンタープライズディスクストレージ製品紹介」連載で紹介した8社のストレージ製品について、各製品の機能の特徴や今後の展望などを紹介する。
連載「エンタープライズディスクストレージ製品紹介」では、主要ストレージベンダーが提供するエンタープライズ向けストレージ製品を順次紹介してきた。今回から2回にわたりこれまで紹介してきた製品の特徴や各ベンダーの製品戦略、さらにはストレージ市場全体のトレンドや今後の展望などを総括する。
ストレージ製品に対する需要は伸び続けており、今後もその傾向は続くと予想されている。IDC Japanが2011年8月に発表した調査結果によると「2010年から2015年にかけての国内ディスクストレージ製品の出荷容量は、年平均で45.1%の成長率が見込まれる」という。
その背景には、企業システムが保有するデータの量が急激な勢いで増え続けているという事情がある(関連記事:ゼタバイト時代の企業ストレージ環境とは)。データが増え続けている理由は幾つか考えられる。主な理由の1つに「企業におけるIT活用が進展してきた結果、データベースに保管された構造化データのみならず、文書や画像、動画といった非構造化ファイルデータが爆発的に増えてきた」ことが挙げられる。
また、データを活用する多様なソリューションが普及してきたことも理由の1つだといえよう。その代表格がBI(ビジネスインテリジェンス)やDWH(データウェアハウス)などだ(関連記事:読めば分かる! ビッグデータのためのデータウェアハウス(DWH)とは?)。BIやDWHについては、高価な割にあまり実用性がないと見る人もかつては多かったが、サーバの処理性能が飛躍的に向上し、ディスク装置の容量当たり単価が劇的に下がった今日では、多くの企業が積極的にBIやDWHの導入・活用に取り組むようになっている。
最近よく聞かれるようになった「ビッグデータ」という言葉は、こうした状況を指すものだ。そして今日のエンタープライズ向けストレージ製品には、新しい状況に対応可能な「増え続けるデータをいかに効率良く管理できるか」という点が問われるようになってきた。近年、エンタープライズ向けストレージの分野で注目されている新技術のほとんどが、この目的を達成するために開発・実装されたものだ。
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