サンディエゴで開催されたGartner Application Integration & Web Services Summitの初日午前の部では、Web 2.0やエンタープライズ2.0、SOA 2.0に関する予測を述べたキーノートで終始したが、午後の部で「SOA in the Real World」(SOAの現実)と題された分科会を見つけたのは幸運だった。
ガートナーの副社長兼ディスティングイッシュドアナリストのマッシモ・ペッツィーニ氏は、同社が得意とする将来予想は避け、分科会の冒頭でSOAの簡単な歴史について述べた。同氏は1996年に欧州でガートナーに勤務し始めたころから、SOAの理論について説明した資料を持って顧客企業のIT部門を訪問していた。しかし、訪問先の顧客が既にSOAを運用しているケースも多かったという。
「当時はSOAとは呼ばれていなかったが、顧客は既にその技術を利用していた」と同氏は聴衆に語った。こうした顧客は、自分たちのプロジェクトに対して1990年代の用語を使っていた。「クライアント/サーバ」と呼んでいたのである。ペッツィーニ氏によると、これはSOAの専門家がなかなか明かそうとしない秘密だという。つまり、SOAは古典的なクライアント/サーバ技術の現代版なのである。
開発者が10年前にSOAを利用していたのであれば、なぜ今ごろになって、かつてなく素晴らしい技術だなどと騒がれているのだろうか。
ペッツィーニ氏によると、アナリスト会議などでSOAがホットな話題になった理由は2つあるそうだ。1つは、XMLをベースとする共通の標準の開発により、アプリケーションのリンクサービスを実現するのが容易になったこと。もう1つは、「10年前の先駆者たちのおかげで、その方法が分かっている」ことである。
同氏は、SOAを運用していたガートナーの顧客に対する10年間にわたるコンサルティング経験から得た知見を披露した。
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