1995年に1台のサーバからスタートしたアマゾン・コムは、その信頼性と拡張性を守るため、2001年にはすでにSOAを導入していた。
SOA導入の成功のカギは、洗練された詳細な計画の策定にあると信じているアーキテクトに対し、アマゾン・コムでワールドワイドアーキテクチャ担当副社長兼CTO(最高技術責任者)を務めるワーナー・ボーゲルス氏は、やや異なるアプローチを提案している。
「アマゾンでは多くの研究を行っているが、われわれはそれらを研究とは呼ばず、開発と呼んでいる」――サンディエゴで開催されたガートナー主催のEnterprise Architecture Summitの基調講演でボーゲルス氏はこう語った。さらに同氏は、SOA開発とは矛盾するようにも思えるモデルを提案した。それは、ハードワーク、失敗、さらなるハードワーク、成功、そしてさらなるハードワークというアプローチである。
ボーゲルス氏は、皮肉を込めたユーモアを交えながら、「Order in the Chaos: Building the Amazon.com Platform」(混乱の中の秩序:アマゾン・コムのプラットフォーム構築)と題されたプレゼンテーションを行った。
ボーゲルス氏によると、アマゾンは1995年、1台のサーバ上で稼働する簡単なWeb注文アプリケーションを使って営業を開始したが、当時のアーキテクチャは非常にシンプルで、文字通り紙ナプキンに描くことができたという。現在では、同社のサイト上だけでも150種類ものWebサービスが利用できるが、当時はこのようなSOAプラットフォームを構築するという壮大な計画などはなかった、と同氏は話す。
同氏によると、Web上で本を販売するという地味な試みから進化した巨大なオンライン小売りWebサイトは現在、小さな古本屋から、オンライン販売の規模ではウォルマートを追い抜いたターゲットのような大手小売店に至る100万社の小売りパートナーをホスティングしているという。
「ある意味では当然かもしれないが、われわれはプラットフォームになった」とボーゲルス氏はアマゾンの技術的進化について語った。
アマゾンの技術の簡単な歴史の紹介の中で同氏は、顧客情報と在庫のデータベースを運用していた1台のサーバが、顧客情報専用と在庫専用の2台のサーバに増えたいきさつについて語った。そして顧客および製品が増えて事業が拡大するのに伴い、次々とデータベースサーバが追加されていったという。
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