創業7年で売り上げ770倍の急成長を遂げたモバイルマーケティング企業、シーエー・モバイル。急成長のあまり起こったグループウェアのパフォーマンス劣化を解決すべく新たに製品選定することになったが、選ばれたのはサイボウズの「ガルーン2」だった。決め手となった3つのポイントとは?
日本は携帯電話大国だ。総契約台数は約9880万台を超え(2007年8月末現在)、実に国民の2人に1人以上が常に携帯電話を持ち歩いていることになる。人々は時間、場所を問わずオンデマンドで動画ニュースを見て、音楽を聴き、ゲームを楽しみ、ショッピングをする。財布がカードや小銭で膨らむことがなくなり、チケットや切符、テレビのリモコンや名刺の代わりに利用されている。今日、携帯電話はその地位をますます確かなものにしている。
そうした中で、モバイルマーケティングに特化し驚異の成長を続けているのがシーエー・モバイルだ。同社の事業は大きく3つに分かれる。モバイルユーザーへのリーチを提供する「広告ビジネス」、主要携帯電話会社の多くの公式メニューを取りそろえる「コンテンツビジネス」、そうした公式メニューを効果的に用いるとともに、一般サイトのメディアパワーを充実させて広くモバイルインターネット全体にアプローチする「コマースビジネス」である。
同社が創業したのは2000年のこと。サイバーエージェントのグループ会社として出発した。当初は「広告」事業からスタートし、その後「コマース」「コンテンツ」の事業分野を掲げ、これらのビジネスを連動させることで高い相乗効果を上げることを目指していた同社にとって、部門を越えたコミュニケーションは重要なテーマだった。組織横断的な会議の開催やプロジェクトの立ち上げが日常茶飯事なだけに、スタッフ同士のスケジュールが迅速に把握できなくてはビジネススピードが落ちてしまう。そこで社員数が30名を越えた2001年に最初のグループウェアを導入した。それがサイボウズの「サイボウズ AG」だった。採用の理由は、親会社であるサイバーエージェントが利用していたからだ。シーエー・モバイルの社員もこの上でスケジュール管理を行っていて慣れていたということもあって、同社単独でグループウェア導入を決断した際も迷わずサイボウズ AGを選んだという。
最初に利用した機能は、やはり「スケジュール管理」だった。組織横断的なメンバーで会議を開催する際、対象メンバーのスケジュールをサイボウズ AG上で確認して時間を確保し、空いている会議室を予約する。同社では、就業時間中のスケジュールはすべてグループウェアにアップしておかなければならない。システム上に予定がなければ、空いているものと見なされる。チームワークを円滑に進めるための大前提ルールだ。
「施設予約」「電話メモ」といった機能もすぐに活用された機能の1つだ。電話メモは、外出の多い営業マンに伝言を届けるために頻繁に利用された。紙のメモではときにその所在が不明になる事故も発生するが、システムなら確実に伝えることができ、代わりに伝言を受けた人間もすぐに本業に戻ることができるからだ。
また、「ワークフロー」機能はこれらの機能が浸透したころに導入され、これを機に社内申請などが全面的に電子化された。ここでサイボウズ AGは、業務推進のためのインフラとして完全に軌道に乗ったという。
しかし、それ故に問題が生じるようにもなった。同社のビジネスは右肩上がりに成長を続け、社員数も数年のうちに倍増した。サイボウズ AGを導入して5年たったころ、社員数は200名を突破。それにつれてシステムのパフォーマンスが落ち始めた。それも無理はなく、サイボウズAGの対応ユーザー数は200名で、特に拡張性は考慮されていなかったのだ。
具体的に起こった事象としては、応答時間が目に見えて遅くなったという。あるときなどは、取引先と電話をしながら会議室を予約しようとしたところ、システムがダウンしてしまった。取引先には不首尾をわびて、後からあらためて電話をかけ直したという。
折しも、サイボウズからサイボウズ AGのサポートが終了するという連絡が入った。そこで同社は、新しいグループウェアをまったく1から選定し直すことにした。2006年2月のことだ。
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