「検疫ネットワーク」は導入するとセキュリティが高まるということは誰もが理解できるものの、単純に即導入、というわけにもいかないのが実情だ。そもそも、なぜ企業に検疫の仕組みが求められるのだろうか。
グローバル化に伴い、成果主義を推し進めてきた日本。睡眠時間が過去20年で最低となった日本。そのような流れの中、業務の効率化が追求される一方で、個人の仕事環境においては情報セキュリティ対策がなおざりになりがちだ。休日・出張時にも顧客の信頼度を上げることだけを考える社員の中には、利便性を優先するあまり、会社でせっかく導入したウイルス対策ソフトやパーソナルファイアウォールの機能をオフにしているケースがあるかもしれない。
だがその社員自身はよくても、そのたった1人、たった1台のクライアントPCが原因で企業にとって深刻なセキュリティ被害に発展してしまう可能性がある。社内ネットワークを安全に守るためには、企業が定めたセキュリティポリシーに違反しているクライアントPCを発見、これを排除・隔離して、修正する仕組みがなければならない。そうした違反PCに対して「検査」「隔離」「治療」を行ってくれる検疫ネットワークへの注目度は、依然として高い。
しかし、検疫ネットワークを実現するための手法やインフラは多種多様であり、ユーザーにはなかなか全体像が見えにくい。本特集は数回にわたり、検疫ネットワークのもたらす利点や課題、製品の選択基準などについて、基本的なトピックから最新事項までを解説し、導入前に検討すべきポイントを明らかにしていく。
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