Oracle Database vs. Microsoft SQL Server【後編】
SQL ServerはOracle DBよりも安価でシンプル
Oracle DatabaseとMicrosoft SQL Serverを比較。後編では主にコストを比較した。Microsoft SQL ServerがOracle Databaseよりも安価でシンプルであることを解説する。
前編「高可用性とセキュリティはMicrosoft SQL ServerよりもOracle Database」では、「Oracle Database」と「Microsoft SQL Server」とを比較し、可用性とセキュリティ面でOracle Databaseに軍配が上がった。しかし、多くの企業にとってOracle DatabaseよりもMicrosoft SQL Serverの方が適している場合がある。それは、価格、シンプル性、コミュニティーのサポートのみだけでなく、Microsoft SQL Serverのメリットは他にもたくさんある。
エンタープライズ向けデータベースのコスト
Oracle Databaseに対するMicrosoft SQL Serverの最大の強みの1つが、会計責任者の理解を得られやすいということだ。価格が安いのだ。Microsoft SQL ServerのEnterprise Editionは、Oracle DatabaseのEnterprise Editionよりもはるかに安価だ。テーブルのパーティショニング、圧縮、OLAP(オンライン解析処理)などの追加機能を含めると、価格差は一層顕著になる。もちろんこれらの追加機能はEnterprise版でしか利用できない。つまり、Oracle Database Standard Editionでは空間データを使いたくても使えないということだ。Microsoft SQL Serverの場合もテーブルのパーティショニングはEnterprise版専用の機能だが、同エディションの価格に含まれている。では、両製品の価格と具体的な製品構成を比べてみよう。CPUライセンス方式でx64プロセッサの場合の小売価格(米ドル表記)を下表に示す。「Microsoft SQL Server 2008 R2」と「Microsoft SQL Server 2012」を併記したのは、新旧ライセンスモデルの価格を示すためだ。
| サーバスペック | Microsoft SQL Server 2008 R2 | Microsoft SQL Server 2012 | Oracle Database |
|---|---|---|---|
| 4CPU、4コア/CPU | 11万3916ドル | 11万3916ドル | 38万ドル |
| 4CPU、8コア/CPU | 11万3916ドル | 22万7832ドル | 76万ドル |
| 8CPU、4コア/CPU | 11万3916ドル | 22万7832ドル | 76万ドル |
| 16CPU、8コア/CPU | 45万5664ドル | 91万1328ドル | 304万ドル |
編注:2012年5月28日
当初、本記事の数値は米TechTargetの記事に準じましたが、日本オラクルからのご指摘により以下のように訂正しました。
(訂正前)
サーバスペック4CPU、8コア/CPUのOracle databaseの価格:152万ドル
サーバスペック8CPU、4コア/CPUのOracle databaseの価格:152万ドル
(訂正後)
サーバスペック4CPU、8コア/CPUのOracle databaseの価格:76万ドル
サーバスペック8CPU、4コア/CPUのOracle databaseの価格:76万ドル
ベースとなるサーバを購入したら、次は機能の追加という段になる。大規模システム用という仮定に基づき、テーブルパーティショニング、データ圧縮、OLAPの各機能が必要だとする。
| サーバスペック | テーブルパーティショニング | データ圧縮 | OLAP | 合計追加コスト |
|---|---|---|---|---|
| 4CPU、4コア/CPU | Microsoft SQL Server=0ドル Oracle Database:9万2000ドル |
Microsoft SQL Server=0ドル Oracle Database:9万2000ドル |
Microsoft SQL Server=0ドル Oracle Database:18万4000ドル |
Microsoft SQL Server=0ドル Oracle Database:36万8000ドル |
| 4CPU、8コア/CPU | Microsoft SQL Server=0ドル Oracle Database:18万4000ドル |
Microsoft SQL Server=0ドル Oracle Database:18万4000ドル |
Microsoft SQL Server=0ドル Oracle Database:36万8000ドル |
Microsoft SQL Server=0ドル Oracle Database:73万6000ドル |
| 8CPU、4コア/CPU | Microsoft SQL Server=0ドル Oracle Database:18万4000ドル |
Microsoft SQL Server=0ドル Oracle Database:18万4000ドル |
Microsoft SQL Server=0ドル Oracle Database:36万8000ドル |
Microsoft SQL Server=0ドル Oracle Database:73万6000ドル |
| 16CPU、8コア/CPU | Microsoft SQL Server=0ドル Oracle Database:73万6000ドル |
Microsoft SQL Server=0ドル Oracle Database:73万6000ドル |
Microsoft SQL Server=0ドル Oracle Database:147万2000ドル |
Microsoft SQL Server=0ドル Oracle Database:294万4000ドル |
すると、いきなりOracleサーバの価格はデータベースエンジン単体の価格よりも高くなってしまう。上の表に示したハイエンドのOracleサーバの小売価格は約600万ドルになるのに対し、Microsoft SQL Server 2012は100万ドルを切る価格だ。
設定項目の数
米Oracleがよく宣伝文句として使うのは、多数の設定項目があるので、メモリをどのように使用するかとか、データベースのどの部分をどのメモリに割り当てるかなど、Oracle Databaseエンジンをきめ細かく調整できるということだ。しかしはっきり言って、これは複雑過ぎる。この15年間の大半をMicrosoft SQL Serverのデータベース管理者として務めてきた筆者の場合、その程度までメモリをきめ細かくチューニングできればいいのにと思った回数は片手で数えられるくらいしかない。Microsoftは各種のメモリプールに対してデータベースエンジンが適切な量のメモリを割り当てるようにする技術を開発するのに莫大な資金を投じた。プランキャッシュに割り当てるメモリ量を調整できれば便利な場合もあるが、大抵の人がそういった調整を行えないという現状の方がいいのではないかと思う。
Oracleの場合、用意された各種設定を厳密に調整できる経験豊富なOracle Database管理者がITスタッフの中にいない限り、メモリ構成を正しくチューニングするにはかなりの時間がかかる。一方、Microsoft SQL Serverでは、稼働中に必要に応じて自動的にメモリの調整が行われる。
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コミュニティーのサポート
Microsoft SQL Serverデータベースで困ったことがあれば、Microsoft SQL Serverコミュニティーを頼るのが最善策だ。コミュニティーのメンバーは、このプラットフォームを初めて使うユーザーを支援するのを誇りとしている。また、さまざまな問題に対処するための情報も随時提供している。
Microsoft SQL Serverコミュニティーといっても、ユーザーだけで構成されるグループではない。同製品のユーザーグループに加え、Microsoftのサポートチームおよびマーケティンググループもコミュニティーのメンバーと見なされているのだ。多くのMicrosoft従業員が休み時間を利用してTwitter上で情報を発信しており、#sqlhelpというハッシュタグでユーザーからの質問を受け付けている。業界でトップクラスのコンサルタントもコミュニティーに参加しており、彼らはこれらのユーザーに有料サポートの利用を促すのではなく、自身の利益を省みずに基本的に無料でサポートを提供している。一方、Oracle Supportは高価であるだけでなく、競合ベンダーと比べるとあまり評判が良いとはいえない。
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