ガートナージャパンが2012年4月に開催したイベントで、医療ITを推進するキーパーソンである近藤博史氏が在宅・災害医療などを含めた今後の医療のIT化に対する提言を行った。
前編の「シンクライアント技術を地域医療連携にも応用――鳥取大学病院のIT化事例」に続き、鳥取大学 医学部附属病院 医療情報部長 総合メディア基盤センター 米子サブセンター長、近藤 博史氏が4月に開催されたガートナージャパンの「ITインフラストラクチャ&データセンター サミット 2012」で講演した内容を紹介する。本稿では、在宅医療や災害医療分野でのIT化や今後の課題、医療ITの将来像などを取り上げる。
鳥取大学病院は、在宅・災害医療を含めた医療支援システムの構築に取り組んできた。2002年のNASDA(宇宙開発事業団)との共同研究では、鳥取大学と日野病院、患者宅を衛星回線で結んでTV会議システムと議論のためポインターを使用できる画像システムを共有し、画像診断医の診療支援や訪問看護時の医師の遠隔支援などを可能にするシステムの実証実験を行った。
また、2005年には科学技術振興調整事業「デジタルデバイドの解消」の一環として、インターネット衛星「きずな」の事前実験として既存衛星を活用し、地上のインターネット回線と接続した遠隔診断、カンファレンスの実験を実施した。2006年には在宅医療における電子カルテシステムを開発し、鳥取県大山町の患者宅に衛星通信のパラボラアンテナを設置して鳥取県立療育センターと結ぶ実証実験を開始した。その後、2007年には沖縄県名護市の名護療育園と国頭村の患者宅にパラボラアンテナを設置し、衛星通信とインターネットを介して鳥取大学病院のサーバに接続する在宅医療支援の実験を行っている。
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