IIS 8で改良・強化されたCPU調整機能とSSL関連機能Microsoft IIS 8の新機能【前編】

Windows Server 2012に搭載されるIIS 8には、多くの強化点と新機能がある。今回はCPUサイクルの過剰消費を防ぐCPU調整機能と、管理性が向上したSSL機能について解説する。

2012年06月27日 09時00分 公開
[Serdar Yegulalp,TechTarget]

 Windows Server 2012のβ版に付属するInternet Information Services(IIS) 8には、大規模なWebホストを構成する管理者向けの新機能が導入されている。しかし、規模の小さいホストや個々のサーバを管理する場合にも、これらの機能は役に立つ。

次世代の“CPUの調整”機能

 IIS 7には、ふるまいの悪いサイトによってCPUサイクルが過剰に消費されることを防ぐCPUの調整機能がある。しかし、残念ながら細かい構成ができないため、期待されるような有用性は得られない。

 まず、サイトに調整を適用すると、そのサイトのプロセス全体が一定の期間完全にブロックされる。CPUのしきい値とプロセスをブロックする期間を設定できるが、設定された期間はサイトが完全に無効になる。あるサイトでは、あるプロセッサ(または全プロセッサ)の90%のみを使用するといった細かい構成をすることは全くできない。

IIS 7のCPU調整機能 IIS 7のCPU調整機能は“オール・オア・ナッシング”:ターゲットのプロセスを完全にブロックするか、何もしないかのいずれかになる

 また、IIS 7では、CPUの調整が特定のアプリケーションプールにバインドされる。これは、Webサイトごとに専用のプールを構成しているのであれば、それほど問題ではない。そのような構成を前提に複数のCPUコアを用意している場合は、そのこと自体は悪い考えではない(1コアしかない場合でも、CPUの使用率が低いサイトであれば問題ではない)。しかし、複数のサイトが同一のアプリケーションプールを共有していて、そのうちの1サイトにCPU調整が適用された場合、全てのサイトがオフラインになる。

 この問題の解決策として、IIS 8ではCPUの調整機能に「Throttle(調整)」と「Throttle under load(負荷時の調整)」という2つの新しい操作を導入している。Throttleは特定のワーカープロセスと、そのプロセスから派生した子プロセスのCPU使用率を制限する。Throttle under loadの場合は、サイトは利用可能なだけCPUを消費できるが、他のプロセスとCPUの競合が始まると調整が適用される。

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