「効率よく、簡単に」――スマートデバイス業務アプリ開発の共通点NEWS

スマートデバイスの業務アプリ開発のトレンドは「効率よく、簡単に」。スマートフォン&モバイルEXPOのアプリ開発支援ゾーンで共通するテーマだ。本稿では注目の展示3点を紹介する。

2013年05月13日 13時30分 公開
[村上万純,TechTargetジャパン]

 2013年5月8日〜10日に、スマートフォンなどのスマートデバイスに関する展示会「スマートフォン&モバイルEXPO」が東京ビッグサイトで開催された。本稿では、企業向けのアプリケーション(アプリ)開発支援ツールを提供する3社の展示内容を紹介する。

 共通するのは、「効率よく、簡単なアプリ開発環境の提供」。エンドユーザーに歩み寄った形で、それぞれの商品が設計されている。

誰でも簡単に本格的なモバイルアプリを開発

 アシアルの「Monaca」は、HTML5で本格的なモバイルアプリが作成できる開発プラットフォームだ(写真1)。HTML5とJavaScriptのハイブリッド開発が可能で、Webブラウザさえあれば誰でもすぐにアプリ開発を行えるという。アプリ開発に必要なビルドツールやストレージなどは全てSaaSとして提供するので、開発環境のセットアップが必要ないことが強みだ。

写真 写真1:Monacaの開発画面。開発に必要なツールは全てSaaSとして提供する《クリックで拡大》

 現在はiOS/Androidアプリ開発がメインで、開発事例としてアシックスやテレビ朝日などがある。「今後はTizenやFirefox OSといった新しいモバイルOSに対応する可能性もある」(同社エンジニアの宇都宮 諒氏)

 現在はβ版を提供している。正式提供の際にはβ版と同様の機能を無償提供するのに加え、「コラボレーション機能」「バージョン管理機能」「CMS連携機能」を有償提供する。3機能の価格は、1アカウントにつき月額数千円を予定している。

ドラッグ&ドロップで簡単にアプリを作成

 ファイルメーカーが展示していたのは、データベースアプリ開発ツール「FileMaker Pro 12 Advanced」。同社が提供している「FileMaker Pro 12」の機能に加え、ワンクリックで仕様書を作成できる「データベースデザインレポート」や、全ての操作をタッチパネルアクションにする「Kiosk Maker」などの機能を追加した。

 「Microsoft Excel」などの表形式のデータファイルを専用ツールで変換することで、簡単にデータベースアプリを開発できるのが特徴だ。データベースアプリのユーザーインタフェースは、標準テーマから選択したり、ボタンやフィールドといった要素をドラッグ&ドロップするだけで手軽に変更できる(写真2)。1つのデータベースアプリケーションごとに複数の端末でデータを共有する機能も持つ。

写真 写真2:FileMaker Pro 12 Advancedは、ドラッグ&ドロップといった簡単な操作でユーザーインタフェースを変更できる

 iOS向けには、App Storeで無料ダウンロードできる専用クライアントソフトウェア「FileMaker Go 12」も提供している。丸友青果は同アプリを活用し、iPadによる伝票業務の効率化を図った。

 「FileMaker Pro 12」は、最小5台の端末ライセンスから購入可能で、VLA(ボリュームライセンスアグリーメント)では17万1000円(1台当たり3万4200円)からとなっている。

業務手順書からアプリを作成

 キーウェアサービスが展示していたのは、業務手順書(フローチャート)からアプリを作成するサービス「ValuePocket for mE」。スマートデバイス向けのビジネスアプリ開発環境をSaaSとして提供している。データ入力用のスマートデバイス向けアプリと、入力されたデータを管理するSaaS形式のアプリを開発できる(写真3)。

写真 写真3:ValuePocket for mEを利用したアプリ開発の手順

 ValuePocket for mEの特徴は、「紙ベースでも口頭ベースでも、明確な業務手順が存在すればアプリ化が可能なこと」だと同社はアピールする。ユーザー側で業務手順が定まっていなければ、同社がヒアリングを基に業務手順書を作成する。競合製品は大企業を顧客に持つグループウェアで、ValuePocket for mEは低価格・小規模で手軽に利用できる点で差異化を図る。

 価格(全て税別)は初期導入費が5万円で、アプリケーション管理費が月額1万円。加えて1ユーザー1コンテンツ当たり月額200円が掛かる。

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