これまでの.NET Frameworkベースの開発手法を用いて、CSSやJavaScriptなどを記述することなく、HTML5対応のWebアプリやマルチデバイス向けアプリなどの開発が可能なツールが登場した。
グレープシティは5月15日、Webアプリケーションフレームワークの新製品「Visual WebGui Pro Studio Web&Mobile 7.0J」(以下、Visual WebGui)を発表した。イスラエルのGizmoxが開発したツールで、HTML5対応のWebアプリやマルチデバイス向けアプリなどの開発が可能。グレープシティによると「Visual StudioでWindowsフォームアプリケーションを開発するのと全く同じ感覚で開発できる点が特徴だ」という。6月26日に販売を開始する。
Visual WebGuiは、マイクロソフトのIDE(統合開発環境)「Visual Studio」のプラグインとして統合されている。Visual Studioに標準添付されているコントロールとAPIレベルでほぼ同様の構造を持ち、データグリッドやチャート、ボタンといったUIコントロールを搭載。ユーザーはフォーム上に配置したコントロールのプロパティ設定でUI設計を行い、その処理はオブジェクトのイベントハンドラーやVB(Visual Basic)、C言語でコーティングするなど、Windowsフォームと同様に行える。
また、実行時はASP.NETアプリケーションとして、Webサーバの.NET Frameworkのランタイム(CLR)で実行される。そのため、サーバ側にはJSPサーブレットのような専用モジュールは不要だ。
さらにVisual WebGuiでは、サーバとクライアントで役割を分担する運用形式を継承。サーバはアプリケーションの状態管理とビジネスロジックを実行してXMLデータを送信し、クライアントは受信したXMLデータによるデータ更新と画面UIを生成する。一般的なHTMLデータの送受信と比べ、サーバ/クライアント間のデータ送受信を抑えることでレスポンスを向上させている。
加えて、サーバとの初回レスポンス時に仮想エンジン「Visual WebGuiカーネル」によってクライアントのUI生成を実現。Microsoft SilverlightやAdobe Flashなどのプラグインが不要。
開発したアプリはInternet ExplorerやChorme、FirefoxなどのWebブラウザで動作する。また、iOSのSafari、Android端末などのモバイル用ブラウザは9月提供予定のサービスパックで対応する。Visual WebGuiの1開発ライセンス当たりの価格は14万7000円で、運用ラインセンスは15万7500円から(いずれも税込)。
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