ファイル共有などに使うプライマリストレージは、バックアップデータに比べて重複率が低く重複排除のメリットが少なかった。だが、最近はプライマリストレージでの重複排除が現実的になってきた。なぜか?
ストレージコストを削減したいと考える多くの組織にとって、検討すべき重要課題はディスクスペースの削減だ。データ重複排除はこの目標を念頭に、データバックアップなどの二次的なシステムに広く採用されてきた。しかし、プライマリストレージの重複排除はまだそのレベルの普及に至っていない。
データ重複排除とは、ひとまとまりのデータの中で重複する部分を見つけて削除するプロセスをいう。圧縮の場合は余分なデータを削除してファイルのサイズを縮小するが、対象となるファイルの数を減らすことはしない。これに対してデータ重複排除はさらに幅広い観点から、より広範なデータセットで横断的にファイルあるいはファイル内のブロックを照らし合わせ、余分なものを排除する。
本稿は、PDFコンテンツ「製品導入ガイド」シリーズ第2弾、「予算内でストレージを最大限に活用する方法」の抄訳です。TechTarget会員であれば、無償でダウンロードできます。
データ重複排除のハードウェア設定では、同じデータのコピーを保存するのではなく、アレイにメタデータとポインタを記録して、データのどのインスタンスが、既存の特定のインスタンスのどこにあるかを指し示す。
同じ静的データを繰り返し保存するバックアップのようなインスタンスの場合、重複排除によって物理的なストレージ消費は10対1~20対1という高い割合で削減できる(ディスクスペースはそれぞれ90%、95%の節減になる)。
物理ストレージの削減が大きな意味を持つのは明らかだ。もしプライマリストレージを90%削減できれば、大量のストレージアレイを導入している組織にとって膨大なコストの削減になる。
だが残念ながら、現実はそれほど単純ではない。データ重複排除の利用ケースはバックアップには適しているが、プライマリストレージでは必ずしもうまくいくとは限らない。
規模の大きいバックアップストリームと比べると、実際に動いているプライマリストレージのデータセットは規模がはるかに小さく、重複もずっと少ない。結果として、そのアルゴリズムで処理するデータの種類によっては、プライマリストレージの重複排除率は2対1という低さになることもある。
だが、ある技術の企業導入が進むにつれて、プライマリストレージ重複排除のメリットが再浮上してきた。さらに、重複排除でコストが削減できれば、高コストのためにそれまで現実的ではなかったSSDの利用さえ、現実的になるかもしれない。
ライマリストレージ重複排除を活用できる条件とは何か? さらに、本PDFでは米Forresterのアナリストによるストレージの最新トレンド解説やVDI環境におけるプロビジョニング方法を紹介。
予算内でストレージを最大限に活用する方法のダウンロードページへ |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
AIでは構造化データの活用が進む一方、クラウド普及に伴いデータの分散化が加速している。この状況下で課題となるのが、レガシーストレージの存在だ。本資料では、構造化データに適したストレージ戦略を紹介する。
データ環境の急変は、企業のストレージ課題を複雑化させている。性能や拡張性、データ保護、分散環境の一元管理、コスト最適化など、自社の課題に合わせた製品・サービスをどう見つければよいのか。それに役立つ製品ガイドを紹介したい。
構造化データ/非構造化データの両方を適切に処理する必要がある今、エンタープライズデータストレージには、より高度な要件が求められている。こうした中で注目される、単一障害点のないAI主導の分散型ストレージプラットフォームとは?
CPUやGPUの性能向上に伴い、データセンターでは今、発熱量の増加にどう対応するかが課題となっている。特に高密度なサーバ環境では、従来のファンやヒートシンクに頼るだけでは熱管理が難しい。こうした中、企業が採用すべき手段とは?
HDDの容量が30TB超になると同時に、ストレージ技術はさまざまな進化を続けている。そうした中でもインタフェースに「SATA」(Serial ATA)を採用したHDDが変わらずに使われ続けている。なぜなのか。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。