自営業者向けに会計情報や、財務・会計・人事サービス、専門的な法務サービスを提供するBrooksonは従業員170人。小規模企業ながら、2つのポイントを押さえることでIT投資を成功させている。
ビジネスサービス事業者のBrooksonは17年前に創設され、従業員数は現在170人。リアルタイムの会計情報や、財務・会計・人事サービス、専門的な法務サービスを自営業者向けに提供している。
Brooksonは比較的小規模な企業だが、9000社の顧客にアウトソーシングビジネスサービスを提供しており、IT責任者のリー・キングショット氏が直面する課題は大企業と変わらない。
本稿は、PDFコンテンツ「製品導入ガイド」シリーズ第3弾、「中堅・中小企業のためのIT製品購入ガイド」の抄訳です。TechTarget会員であれば、無償でダウンロードできます。
小規模企業と大企業との最大の違いは、規模の小さい方が決断が早いことだと同氏は言う。「大企業の調達プロセスは時間がかかるが、SMBはデューデリジェンスに力を入れる。SMBの方が機敏性があり、自社のリスク許容度に合わせた適切な調達ができる」
例えばBrooksonは、以前はMicrosoft Silverlightを使って顧客向けのポータルを構築していた。このアプリ「Connect」は、ネット上に文書を保存できる機能があり、HM Revenue & Customs(HMRC:英国歳入税関庁)書類のスキャン、経費申請、請求書、給与情報、銀行取引明細、ビデオチュートリアルなどが保存されている。
しかし、Microsoftの製品戦略の転換に伴って、プラットフォームをSilverlightから移行させる必要が生じた。ConnectをタブレットやAndroid端末に対応させる必要もあった。同社はSilverlightからHTML5ベースのポータルに移行するという決断をわずか5日で下し、HTML5バージョンのConnectは4カ月で完成してテストを終えた。
キングショット氏は、市場の状況を把握するためにGartnerの報告書を購入した。Brooksonは少数のサプライヤーと取引があり、関係は長期にわたる傾向がある。Microsoft Dynamics NAVを提供しているMicrosoftとは4年、Connect顧客ポータルのサプライヤーとは8年の取引関係にあり、最近では印刷とドキュメント管理を手掛けるBytesと契約を結んだ。
キングショット氏の目標は、可能な限り出来上がった製品を買うことにある。「製品を発明し直すことは望まない。われわれが必要なのは、すぐに実装できるサードパーティーの完成品のソフトウェアだ」
Dynamics NAV 2009は大企業で利用されているシステムだが、Brooksonの業務にはふさわしかった。「われわれはこのERPシステムを通じて9000社のデータを処理している。従ってGartnerの奨励事項を参照する必要があった」とキングショト氏。
Dynamics NAVはBrooksonの顧客のキャッシュフロー管理支援のために利用されており、顧客のビジネスアカウントからデータフィードを取得して税金を計算し、勘定を記録する。
最近ではXeroxおよびBytesとも契約した。「以前は印刷管理に法外な額を費やしていたが、Bytesとの交渉を経て、セキュアな管理ができる多機能デバイス(MFD)を導入した」。このMFDは、ユーザーがスマートカードを持って物理的にマシンの所へ行かない限り印刷できない。
契約には文書のスキャンも含まれる。「HMRCにもXBRL(eXtensible Business Reporting Language)がかなり浸透してきた。しかしまだ先は長い。われわれの元には顧客から大量のHMRC書類が送られてくる。その情報をOCRソフトウェアを使ってアップロードしている」とキングショト氏は説明する。
本PDFでは、Brooksonの事例の続きや中堅・中小企業のためのITライフサイクル管理やアウトソーシング契約時の交渉術など、中堅・中小企業のIT導入を支援するコンテンツで構成されています。
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