「古めかしいUIよりもモダンでイケてるUIの方が良いシステムのように見える」という意見は、業務システムの選定という場面では慎重な判断が必要かもしれません。
新たに導入するにしても、以前のシステムから入れ替えるにしても、業務システムを導入することは企業にとって非常に工数がかかるものです。とはいえ現在はさまざまなベンダーが多種多様な製品やサービスを提供しているため、ユーザー固有の事情に合わせた機能を必要としない限り、フルスクラッチでシステムを構築することはそれほど多くはありません。従って企業がシステムに必要な機能要件を洗い出した後は、
という流れでシステム導入プロセスを進めることになります。
システムの選定に当たっては「提示した要件を満たしているかどうか」が基本的な判断基準になります。ただし近年はIT製品の市場が成熟したことで、個々の製品の機能差が縮小しており機能要件で明確な差をつけることが困難なことも珍しくありません。そうなると機能要件以外の要素でシステムを選定する必要が出てきます。例えば次のような選定要素が考えられます。
ただしこれらの要素のうち、ベンダーのブランド力、導入実績、サポート体制については大手企業が強いものです。一方で価格については、大手に追随するサードパーティーベンダーが大手に対抗するために価格優位性を武器とすることがあります。そのため「安心と実績」「価格」のどちらを取るかという判断が必要となります。残る「機能要件以外の付加機能」については、よほどのメリットがない限り、あくまで参考という位置付けとなるでしょう。
一方でユーザー部門にとっては、上記の要素よりもユーザーインタフェース(UI)が重要であることを認識しておいた方がよいでしょう。
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