「取りあえずExcelでワークフローをまとめてみよう」の“わな”に陥るとき“脱Excel”か“活Excel”か

新規事業の立ち上げ時、チームのワークフローを取りあえずExcelでまとめるのは自然な流れでしょう。しかし、そのExcel帳票をチームの業務に合わせて改善し使い続けることには、潜在的なリスクがあります。

2017年10月23日 05時00分 公開
[村山 聡]

このコラムについて

 ほとんどの企業が使っている表計算ソフト「Microsoft Excel」(以下、Excel)。便利なツールですが、本来の目的を超えて“使いこなし過ぎる”ことが、かえって業務効率を低下させてしまったり、業務の属人化につながってしまったりする場面があるのではないでしょうか。

 このコラムでは、日常業務でよく見掛けるExcelの活用例を紹介しながら「こんな場面は脱Excelを考えた方がよい」「こういうExcelの活用法はお薦め」といった知見を紹介していきます。



個別ワークフローはなぜ生まれるのか

 企業は事業を継続し、さらに発展させていくために、新しい製品やサービスを提供し時代の変化に対応していかなければなりません。そうした製品やサービス、それに付随する機能を円滑に提供するために、企業は業務の流れ、つまりワークフローを整備・構築する必要があります。

 例えば既存製品の販売を終了し、その代替となる製品を販売するような場合は、既存のワークフローの変更で済みます。しかし、これまでと異なる機能の製品を販売したり、試験的に新たなサービスの提供を開始したりする場合は、既存のワークフローでは対処できないことがあるため、新たなワークフローを検討しなければなりません。

 中小企業においてもワークフローシステムを導入している企業は決して少なくないと思います。そうした中小企業が新しいワークフローを整備・構築する場合、

  • フローが完全に固まっていない
  • 利用頻度が想定できない
  • 継続して使用するか分からない

などの理由で、情報システム部門に依頼しても、ワークフローシステムを使用させてもらえないことが少なからず起こり得ます。

 このような状況においては、Excelの帳票を使用してフローを整備することは、それほど悪い選択肢ではありません。往々にして開始当初は、ワークフローに関わるのは、その製品/サービスの企画や開発に携わってきた部門、関係者に限定されるため、ワークフローも単純なものになることが多いからです。関係者の間である程度ルールを決めておけば、例外事項が発生しても関係者間でコミュニケーションすることで、迅速な個別対応が可能です。また、都度こうした個別対応の内容をルール化し、ワークフローに反映していけば、次第に洗練されたワークフローになっていきます。

ワークフローがExcelの“わな”に陥るとき

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 LRM株式会社

セキュリティ対策が取引獲得の要件に、企業が取り組むべき対策とその実践方法

サイバー攻撃から自社を守るだけでなく、取引を拡大するためにもセキュリティ対策の強化は必須の取り組みだ。その理由を確認しながら、セキュリティ対策の強化で特に重要とされる従業員教育について、必要性や実践法を解説する。

製品資料 オリックス株式会社

人材不足でDXが進まない? 中小企業でもできる“ペーパーレス化”の実現方法

ある調査によるとDXに取り組んでいる中小企業は、2割にも満たないという。中小企業がDXを実現できない理由となっているのが、人材不足だ。しかし、人材不足の中でもDXを目指して取り組めることはある。それがペーパーレス化だ。

製品レビュー 株式会社ソラコム

IoTカメラで進化する観光コンテンツ、その先にある新サービス創出の現場へ

IoTカメラは工場や倉庫における保安・監視用途などで活用されることが多かったが、現在の活用領域は大きく広がっている。観光地における課題解決と体験価値の向上を目指し、IoTカメラを観光コンテンツに応用した事例から、その実態を探る。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

中小企業こそ「モバイルアプリケーション」を活用すべき7つの理由

中小企業は、モバイルアプリケーションを活用することで顧客と密接な関係を構築したり、パートナー企業との関係を維持したりできる。モバイルアプリケーションが役立つ理由を7つ紹介する。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

どんな働き方でも困らない「ノートPC」を選ぶポイントとは?

コロナ禍を経て、業務に必要な「ノートPC」の条件は変わった。どのような条件で選ぶことが望ましいのか。選定のポイントを解説する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。