ビジネスプロセス自動化がもたらす新しい世界Computer Weekly製品導入ガイド

ビジネスプロセス自動化は、可能な限りの場面で人の存在を排除することにより、市場における変化のペースに対応する。

2014年09月26日 08時00分 公開
[Clive Longbottom,Computer Weekly]
Computer Weekly

 テクノロジーの分野では古い3文字略語(TLA:three-letter acronyms)が新しい3文字略語へと変化する。それがNGT(next-generation TLA)だ。ビジネスプロセスにも同じことがいえる。1990年代にはビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)やビジネスプロセス最適化(1.0世代BPO)が盛んに論じられた。これは、ビジネスプロセス管理(BPM)ソフトウェアやビジネスプロセスアウトソーシング(1.5世代BPO)を通じてプロセスを請け負い、顧客のために運用してくれる外部の企業を必要とする。

 時がたつのは早い。われわれは今、ビジネスプロセスのための次の技術の波に備えている。それが「ビジネスプロセスオートメーション(BPA)」だ。BPMの当初の目標は、できる限りのものを自動化することだった。だが人はこれに恐怖を感じ、多くのBPMはいまだに人間が不必要に介在する。それでも旧式の手作業プロセスはBPMによる高速化が可能で、従って今でもこれを使って競合相手に先んじることはできる。しかし今のようなペースで変化する市場においては、可能な限りの場面で人の存在をプロセスから排除して、コンピュータに担わせる量を増やす必要がある。

さまざまなアプローチ

 サプライヤーはこれに対応して、採るべきアプローチの変更を迫られている。大手サプライヤーのTibcoは、買収こそが進むべき道だと判断した。まずTibcoの既存のアプリケーションインテグレーション機能を補うためのBPM機能の基盤として、2004年にStaffwareを買収。続いてビジネス分析サプライヤーのSpotfireを2007年に買収した。同社はさらに2009年のDataSynapse、2011年のNimbus、2012年のLogLogic、2013年のStreamBase Systemsなどの小規模な買収を続けた。今度はオープンソース分析サプライヤーのJaspersoftを買収して、管理下にある全プロセスで何が起きているかを横断的に監視する機能の強化を目指している。

 IBMは文書キャプチャー、管理、ワークフローを目的とした2006年のFileNetの買収に始まり、2009年にはBPM/BPOのフル機能を獲得するためにLombardi(そして小規模なビジネスプロセス関連サプライヤー)を買収した。今はSoftLayerの買収を活用し、OpenStackをクラウドプラットフォームとして使った完全なクラウドベースのBPM/BPO製品へと移行しつつある。

 Pegasystemsは以前からプロセス自動化に力を入れており、この分野の大手であり続けている。柔軟性の高いラーニングインテリジェントルールエンジンをベースとする同社のエンジンは、Vodafone、HSBC、Ciscoといった大手に採用されている。

 別のサプライヤーのAppianは、Amazon.com、Benenden Healthcare、Bupaなどを顧客に持ち、プロセスフローにおけるソーシャル機能の使い方で定評がある。

 OracleやSAPなどはエンタープライズシステムにビジネスプロセス管理を組み込んでいる。機能横断的なビジネスプロセスの自動化や管理、リポートを可能にするインテグレーションサービスや外部プロセス管理サービスは、他社(上記のサプライヤーも含む)が提供する。

 プリントサプライヤーは、書類がビジネスプロセスのごく一部を占める存在にすぎなくなったとの認識から、BPM市場に進出しつつある。Xeroxは書類のキャプチャーも含む成熟したワークフロー自動化スイートに力を入れる一方で、同社のエンタープライズコンテンツ管理機能を利用して、必ずしも書類がプロセスに含まれない分野にも取り組んでいる。Lexmarkはこのプロセスをまねるため、Perceptive Softwareの買収を通じて新たな部門を創設。Pitney Bowes Management Servicesを別会社(Novitex)としてスピンオフし、IDLM(Integrated Document Lifecycle Management)システムの提供に乗り出した。キャプチャー機能とワークフロー機能で定評のあるKofaxは、プロセス管理機能を基盤として、Singularity(2011年)とKapow(2013年)を買収している。

BPAの浸透

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