重複排除バックアップストレージの新機種、重複排除アプライアンス製品、バックアップソフトウェアの新版などをEMCジャパンが発表。各製品の連携機能を強化することで、バックアップ/リカバリ環境の統合を支援する。
EMCジャパンは8月6日、バックアップ/リカバリ製品群のラインアップ強化を発表した。重複排除バックアップストレージ製品群「EMC Data Domain」(Data Domain)のミッドレンジ向け新製品4機種、重複排除バックアップアプライアンス「EMC Avamar 7」(Avamar)、バックアップソフトウェア「EMC NetWorker 8.1」(NetWorker)などを2013年第3四半期(10〜12月)に販売する。さらに、AvamarとNetWorkerなど複数のバックアップ/リカバリ製品を組み合わせた新ライセンスモデル「EMC Data Protection Suite」を提供する。
Data Domain新製品について、EMCジャパンのBRS事業本部 本部長 遠井雅和氏は「アーカイブ用途の機能を拡張することで、ユーザー企業がバックアップ/アーカイブを統合したストレージ環境を構築できるようにした」と説明する。
Data Domainの新製品は「Data Domain DD7200」「同 DD4500」「同 DD4200」「同 DD2500」。CPUの処理能力を高めたことで、既存のData Domainと比較し、バックアップ処理時間を最大4分の1まで短縮できるという。容量拡張オプションの拡張シェルフの最大容量も従来の2Tバイトから3Tバイトへ増加。Data Domainの長期保管データ用のオプション機能「DD Extended Retention」を使用すると、最大85.6P(ペタ)バイトまで論理容量を増やすことができる(DD7200の場合)。
加えて、基幹システムのデータベース管理者によるバックアップ運用を支援する機能を新たに搭載した。具体的には、NFSプロトコルを介して「SAP HANA Studio」を用いたバックアップ/リカバリ処理が可能になった。また、「Oracle Recovery Manager(Oracle RMAN)」向け機能を拡張。これにより、「Oracle Exadata」および「Oracle Database」で稼働するSAP製業務システムにおけるバックアップの運用管理を簡素化する。その他、OpenTextやIBMなどのアーカイブアプリケーションとも連携するなどアーカイブ対象を拡張した。販売価格は450万円(税別、DD2500の最小構成)から。
同時に発表されたAvamar、NetWorkerの新版では、Data Domainとの連携機能を強化した。Avamarでは、新たにファイルシステムやNDMP(Network Data Management Protocol)、IBM Lotus Notesなど大容量データをAvamarエージェントからData Domainにバックアップできるようにした。「VM Instant Access」機能により、Data DomainにバックアップしたVMware仮想環境の仮想マシンをData Domainから直接起動することもできる。その他、既存バージョンではジョブ実行が許可されない期間である「ブラックアウトウィンドウ」が必要だったが、新版では不要になり、バックアップ/リカバリ環境の可用性を高めた。
NetWorkerでは、重複排除を分散処理させるソフトウェア「EMC Data Domain Boost」(DD Boost)のサポート対象をファイバーチャネル(FC)まで拡張。これにより、仮想合成フルバックアップ、クローン制御レプリケーションなどData DomainやDD Boostの機能をFCでも利用できるようにした。
仮想合成フルバックアップについて、米EMC アジア・パシフィック・ジャパン バックアップ・リカバリ・システムズ部門 シニア・ディレクタ 兼 チーフ・アーキテクト P・K・グプタ氏は「フルバックアップの回数を年間で最大90%削減するとともに、バックアップ処理を最大95%も高速化できる」と説明。また、論理的なデータゾーンを作成し、複数のテナントでバックアップ環境を共有できるようにするMulti Tenancy機能により、「クラウドサービス事業のデータ保護ソリューションとしても利用できる」と語る。
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