英Virgin Management、IaaSとBYODで欠点だらけのITインフラを刷新英Virgin Group子会社事例

英Virgin Group子会社の経営サービス企業である英Virgin Managementは、ITインフラをIaaSプラットフォームに移行し、IT費用の削減とBYOD(私物端末の業務利用)導入を実現した。

2013年11月25日 08時00分 公開
[Archana Venkatraman,Computer Weekly]
Computer Weekly

 半年前にVirgin Managementの本社をブルック・グリーンからパディントン(どちらもロンドン内の地区)に移転した際に、同社のITチームは自社のITインフラを評価した。その結果、既存のインフラは制約があり、機能分散型で拡張性がないと判断した。また、物理インフラの保証期限が近づいている上、堅牢な障害復旧戦略がないことも判明した。

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 現行のインフラを維持する場合は、運用費を増やし、管理能力を上げ、ローカルユーザーのマシンをアップグレードして、クライアントを更新しなければならなかった。

デスクトップ仮想化

 そこでITチームはクラウドデリバリのオプションを調べ、迅速で一貫性があり、モバイルに適したデスクトップデリバリを実現する上で、仮想デスクトップインフラ(VDI)戦略が有効かどうかを評価した。

 Virgin Managementのモバイル活用レベルは非常に高く、どこにいても社有または私物のデバイス、シンクライアント、タブレットを使ってネットワークにアクセスする必要がある。従って、限られた初期費用で、できる限り俊敏にITリソースを拡張でき、かつ、ユーザーがデータに「いつでも、どこでもアクセス」できる柔軟なソリューションが必要だった。

 目標は、災害復旧(DR)計画を策定し、管理費を削減しながら、一元的でレジリエンス(回復力)と拡張性が高いプラットフォームを会社の200人のユーザーに提供することだ。

 Virgin Managementは、インフラおよびSAPクラウドアプリケーションプロバイダーの英Codestoneが提供するIaaSプラットフォームを選んだ。このプラットフォームは、Dellサーバ、EMC SAN、VMware vSphereを基に構築されている。このクラウドプラットフォームによって、ハイパフォーマンスコンピューティング機能と共有または専用の予備の処理能力を利用できるため、費用の節約につながっている。また、99.99%の稼働率を達成している。複数箇所での障害の同時発生にも耐性があり、Virgin Managementユーザーに対するシステム停止を防止できている。

 全てのサービスをCodestoneのIaaSプラットフォームから提供する「フルクラウド」にしたことで、各地のオフィスに専用のハードウェアを用意する必要もなくなった。

 このクラウドプラットフォームでは、Citrix XenDesktopを利用して一元的で、レジリエンスと拡張性があるプラットフォームを提供している。包括的なフェイルオーバーDR計画もあり、全ての端末/ユーザーへのサービスの提供、柔軟性の向上、管理コストの削減を実現できている。

Virgin ManagementのBYOD戦略

 サポートする端末でインスタントメッセージ、ビデオ会議、IP電話を可能にするため、Virgin ManagementはCodestoneに依頼して、新しいMicrosoft Lyncサーバプラットフォームを導入した。Codestoneは、Virgin Managementの端末管理を中断させることなく、BlackBerry Enterprise Serverから新しいシステムに移行を行った。

 「この移行は、弊社の柔軟な業務環境への移行戦略の要件を完全に満たしている」と、Virgin ManagementのITディレクター、テリー・ケネディ氏は話す。「必要なレベルで事業を継続するためには必要なことだが、メールボックスとアーカイブの移行中も、通話システムに使うMicrosoft Lyncなどの新しいサービスの導入中も、システムの大きな障害は発生しなかった」

 この新しいモバイル端末戦略の成果として、以下の効果が得られた。

続きはComputer Weekly日本語版 2013年11月20日号にて

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