「医療クラウドを普及させるには、政府主導によるトップダウンだけでは難しい」――医療クラウドに対する世の中の認識を変え、その普及推進を目指す新しいコミュニティーが2013年11月に誕生した。
2010年2月に厚生労働省が発表した「『診療録等の保存を行う場所について』の一部改正について」という通知において、関連省庁のガイドライン順守を前提に民間企業のデータセンターへの医療データ保存が解禁された。これに伴い、医療分野のクラウドサービス(医療クラウド)への関心が急速に高まっている。しかし、その導入を阻む課題もあるのが現状だ。そんな中、2013年11月16日、医療クラウドのさらなる推進を目指すべく「医療クラウド推進コンソーシアム」が設立された。
医療クラウド推進コンソーシアムは、医療クラウド関連事業者を中心に構成される任意団体。その代表理事を松尾義朋氏(イーサイトヘルスケア 代表取締役社長)が、副代表理事を狩野輝昭氏(グローバルソフトウェア 代表取締役会長)、古瀬 司氏(ジェイマックシステム 代表取締役社長)が務める。
松尾氏は「医療クラウドを普及させるには、政府主導によるトップダウンだけでは難しい。ローカルモデルという実例を積み重ねながら、市場全体のパイを広げる方向性も必要だと考える。医療クラウド推進コンソーシアムは、実際に医療クラウド事業にかかわっている企業や団体などの関係者間の情報交換や意見交換の場を提供することで、医療クラウドに対する世の中の認識を変えていきたい」と設立目的を説明する。設立当日、医療クラウド推進コンソーシアムは医療クラウドに関する勉強会を開催。本稿では、その中で発表された医療クラウドの活用事例を紹介する。
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