企業導入が進むApple製品だが、「AppleはITサポートの提供を恐れている」Apple製品導入の課題

コンシューマライゼーションの高まりを背景に、Apple製品の企業導入が進んでいる。だがAppleは企業ITのサポートに消極的であり、課題も多い。

2014年09月10日 08時00分 公開
[Clare McDonald,Computer Weekly]
Computer Weekly

 米Appleの製品は、その人気から企業が導入するケースが増えている。同社がコンシューマー市場に重点を置いているにもかかわらず「iPad」「iPhone」「MacBook Air」は今や業務にも使用されている。

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 同社は2001年、革新的な音楽プレーヤー「iPod」でガジェット市場に衝撃を与えた。それ以前は、「Macintosh Classic」や初代「iMac」などによって「幾分洗練されたPCの代替品」のブランドと見なされていた。

 しかし、2014年4月の同社発表によると、同年1〜3月期に456億ドルにも上る収益を得ており、その半分以上が4370万台にも及ぶiPhoneの売り上げだという。アナリスト企業の米Gartnerによると、同社は2013年のスマートフォン市場で15.6%のシェアを獲得している。これは韓国Samsungに次ぐ数字だ。

 同社は最近になって、やっと企業向けのIT機能を製品に追加し始めた。「iOS 7」のセキュリティ拡張機能「iCloudキーチェーン」などがその例だ。

決めるのはコンシューマー

 モバイルデバイスの人気は衰えることを知らない。英Juniper Researchは、BYOD(私物端末の業務利用)戦略の一環として使用されるデバイスの数が2018年までに全世界で10億台以上になると予測する。大変好調なAppleの業績から、コンシューマーが家庭と職場の両方で同社製品を購入していることが見て取れる。従業員による私物端末の使用を組織が許せば、コンシューマーは企業で許可されるものを選ぼうとし、より慎重にスマートフォンを購入するようになる。

 最近発表された米Dimensional Researchのリポートによると、60%の企業が100台超のAppleデバイスを採用しているという。また、ユーザーの78%がAppleデバイスを使用する理由について「他のデバイスよりも好きだから」と答えている。

 アナリスト企業の英Freeform Dynamicsで調査責任者を務めるデール・ビル氏によると、組織の部門や従業員はCOPE(Corporate Owned, Personally Enabled:業務端末の個人使用)構想の下、職場でAppleデバイスを使用することを希望している。だが、Appleデバイスが好まれる理由は必ずしもパフォーマンスではなく、むしろほとんどはデバイスのデザインであると同氏は話す。

 「営業やコンサルタントなど顧客と接する従業員は、そのイメージを理由にApple製品を推奨することが多い。彼らは、見た目や感じが良いからだという」

従来のITは復活するか

 「Mac」は、1980年代半ばから米Microsoftの「Windows」PCの代替品として使用されてきた。だが広く使用されていたのはApple特有のソフトウェアを必要とする特定の部署やある種の組織(出版、ビデオ制作、クリエイティブ産業など)に限られていた。

 ITのコンシューマライゼーションによって、企業におけるiPadやiPhoneの採用が増加しているのは容易に想像できるが、Macも返り咲きを果たしている。モバイルデバイス管理(MDM)プロバイダーの米MobileIronによると、企業でiPhoneやiPadが受け入れられる傾向が増えているだけでなく、Macのサポートを求める声も大きくなっているという。

Appleテクノロジーのサポート

 モバイルデバイス管理では、(iOS、米Googleの「Android」、Windowsなど)OSに関わらず、モバイルデバイスのセキュリティが確保される。だが、IT部門はAppleデバイスの採用に慎重だ。その主な理由の1つは、彼らがAppleデバイスをサポートした経験が少ないことにある。

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