2014年11月06日 08時00分 公開
特集/連載

どうしてこうなった? 勘違い企業のクラウド失敗事例集失敗が約束されたクラウド導入

安易、無思慮にクラウドを導入するとどうなるのか? システムは複雑になり、コストが増大する。クラウドを“問題が何でも解決する魔法の薬”と勘違いした企業の無残な失敗の数々を紹介する。

[Archana Venkatraman,Computer Weekly]
Computer Weekly

 クラウドコンピューティングは企業のコスト削減やイノベーションを実現し、ビジネスの機敏性を高めるのに役立つ。だが、それは適切に導入した場合に限られる。「多くの組織はクラウドに対する戦略をきちんと立てていない」と英Ovumの主任アナリスト、ゲイリー・バーネット氏は警告する。

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クラウド ナビ


 2014年9月4日、Westminster eForumのクラウドに関するセミナーで、同氏は「クラウドを高く評価しているが、クラウドは魔法ではない」と語った。「クラウドの導入によって複雑さやコストが増え、セキュリティが低下した例を幾つも見てきた」と同氏は話す。

IT環境の複雑さに関する失敗

 クラウドアプリケーションは、ほとんどの組織のインフラに存在する。だがバーネット氏よれば、既存のレガシーインフラを一掃していないため、結果として「IT環境に新たな層を重ねることになり、複雑さが増す」という。

 同氏はセミナーで、重要なCRMシステムで25万件を超えるレコードを扱っている大手企業顧客の例を紹介した。この企業は、作業効率を改善し、クラウドのメリットを生かすために、このCRMシステムをクラウドに移行した。

 「しかし、クラウド上のCRMを利用する営業部員はとても困っていた」とバーネット氏は言う。「データが使いものにならなかったからだ。同社はただ単にデータをクラウドに放り込んだにすぎなかった。その結果、クラウドの評判は最悪になった」

 クラウドに移行する前にデータをクリーンアップするようバーネット氏はアドバイスする。クラウドを“問題が何でも解決する魔法の薬”とは考えないことだ。「社内の乱雑さをそのまま社外に移してはいけない。データを事前にクリーンにしておくことだ」

クラウドのコストに関する失敗

 「クラウドには法外なコストが掛かる恐れがある」と、バーネット氏は話す。同氏は、米AmazonのAmazon Web Services(AWS)が提供するIaaSを導入した英ダブリンの企業を例に挙げた。「同社は、パブリッククラウドによってコストが抑えられるとだけ聞かされており、AWSに掛かるコストを約2000ドルと想定していた」

 ところが、AWSの初回請求が1万5000ドルであると知り、「がく然とした」という。

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