Windows 10リリースでも晴れないPC市場を覆う悲観論斜陽のPC業界に打つ手なし

かつては、WindowsのバージョンアップがPCの買い替え需要を支えてきた。しかし、Windows 10にはPC業界を長期的に成長させる力はなさそうだ。アナリストの悲観的な予想とは?

2015年08月20日 08時00分 公開
[Caroline DonnellyComputer Weekly]

 「Windows 10」のリリースは、(一時的な効果はさておき)PC市場の長期的な傾向を変えるほどの影響はなさそうだと調査会社の米Gartnerは予測する。

 同社はこのほど、2015年第2四半期時点のIT支出の予測を発表した。それによると、Windows 10のリリースは2016年の前半まではPCの売上増の原動力となるだろう。ただしその勢いは、PC市場全体が縮小の一途をたどっている現在の流れを変えるほどではなさそうだ。

 このリポートの作成責任者ジョン=デイビッド・ラブロック氏が本誌Computer Weeklyのインタビューに応じて語ったところによると、直近の1年半(18カ月)はWindows 10のリリースを見越して、ユーザーがPCリプレースのタイミングを先延ばしにする傾向が見られた。対して2016年のPCの売り上げは、総じて横ばいとなりそうだという。

 「言い換えると、2016年は(PC業界にとって)いい年になりそうだ。PCの売上額に関していえば、横ばいは現在の基準では上向きと同義だからだ。ただし全般的には、まとまった台数の新規購入需要が発生する要因は見当たらない。売り上げが増えるとすれば、主に既存PCのリプレースによるものだろう。Windows 10がPC業界の救世主となるというシナリオは、単なる願望に終わるのではないか」と同氏は語る。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news055.jpg

トランプ大統領にすり寄ってMetaが期待する「ごほうび」とは?
Metaが米国内でファクトチェックを廃止し、コミュニティノート方式へ移行する。その背景...

news121.jpg

「ファクトチェック廃止」の波紋 Metaにこれから起きること
Metaがファクトチェックの廃止など、コンテンツに関するいくつかの重要なルール変更を行...

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年1月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...