ITコスト削減の要はデータセンターにある。仮想化がその鍵を握るが、VMスプロールがコスト増を招く恐れがある。また、自社でデータセンターを構築するかコロケーションを利用するかを費用だけで選ぶと失敗するという。
大企業は、自社データセンターで発生している仮想マシン(VM)のスプロール問題への対処を誤るとIT予算の大幅削減の機会を逃す恐れがあると、米調査会社Gartnerは警告している。
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同社が2015年11月末から12月初旬にかけて英ロンドンの中心部で開催したカンファレンス「Gartner Datacentre, Infrastructure and Operations Management Summit」で、同社リサーチディレクターのネイサン・ヒル氏は、インフラと営業の経費が平均的なレベルの大企業で、データセンターのコストがかなりの割合(42%)を占めるという調査結果を披露した。
コスト低減を進めている企業は、IT経費を削るならデータセンターに注目するのが妥当な考え方だとヒル氏は言う。サーバ統合と仮想化を既に済ませた企業は、それでコスト削減をかなり進めた気分になっているかもしれない。だが、その見方は必ずしも正しいとは限らないと同氏は指摘する。
例えば、仮想化により新規のワークロードを展開しやすくなったことで、以前は達成していた、財政上の効果が薄まる場合もあるとヒル氏は説明する。
「新規のワークロードは、仮想化インフラとオーケストレーションのメカニズムを使って展開すれば非常に簡単に作成できる。しかし、上手に管理しないと、VMスプロールが発生する」と同氏は話す。
「管理しなければならないワークロードが急激に増えると、物理インフラを増設することになる。その関連費用も急増する場合がある」(ヒル氏)
こうした事態を防ぐには、稼働中のワークロードの内訳と、そのワークロードを実行する理由を定期的に再評価するプロセスを実行しなければならないとヒル氏は主張する。
「現在運用中の業務フローにこのプロセスを組み込んで、ワークロードの最適化を確認することが切実に求められている。それも一時的なアクティビティではなく、今後ずっと継続するアクティビティにしなければならない」
データセンターの費用を見積もる際、大企業にとってその額を左右する大きな要因となるのは、データセンターを自前で構築するかコロケーション業者を利用するかという点だと、ヒル氏は付け加える。自前で用意する場合、巨額の先行投資が必要になる。だが、コロケーションを選んだ場合でも、インスタンスによってはさらに費用が掛かる場合もあると同氏は警告する。
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