BREACH攻撃の改良版「Rupture」の脅威
「Gmail」「Facebook」ユーザーを不安にさせる新型“暗号無効化攻撃”の危険度
セキュリティ研究者が、暗号化通信に対する攻撃「BREACH攻撃」の改良版を生み出した。この新型攻撃「Rupture」の脅威とは、どれほどのものなのか。
あるセキュリティ研究者たちが、何年か前に発見された「BREACH攻撃」(暗号化通信のプライバシー保護機能を低下させる攻撃の一種)の改良版を作成した。この新型BREACH攻撃とはどのような攻撃なのか。これによってGoogleのメールサービス「Gmail」のアカウントがハッキングされる可能性はあるのだろうか。
他のセキュリティ分野の応用研究と同じく、エクスプロイトの研究でも、過去の研究に基づいて防御手法や攻撃手法の改良を進めている。実用化技術を強化するには、理論研究のみならず、さらに深い探求が必要になることもある。暗号化研究がまさにそうだ。それまでは危険度の低い理論上の攻撃だと見なされていた手口も、性能の変化や改良次第で現実の攻撃へと進化する可能性がある。
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「Rupture」とは何か
Nokiaのソフトウェアエンジニアで暗号学研究者のディミトリス・カラコスタス氏と、National and Kapodistrian University of Athens(アテネ大学)の暗号学博士候補生であるディオニシス・ジンドロス氏が作成した新型BREACH攻撃は「Rupture」と名付けられた。暗号化通信技術TLS(Transport Layer Security)に対する攻撃を進化させたものだ。
TLSは前身のSSL(Secure Socket Layer)よりも強化した暗号技術を採用している。だが登場以来、さまざまな手口で暗号解読が試みられてきた。RuptureはBREACH攻撃の実践的な実装であり、TLSを使う別のプロトコルを攻撃する枠組みも含む。Ruptureは通信内容を不正に盗聴する中間者攻撃により、標的のWebブラウザが実行するアプリケーションと、その通信先サーバとの間でやりとりされるデータを解析する。
とはいえ、Gmailやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の「Facebook」といったオンラインサービスを利用している企業にとっての危険度はまだ低い。標的型攻撃に悪用される可能性はあるものの、Gmailアカウントをハッキングするのが目的なら、この攻撃より古いもっと高速の攻撃手法がいくらでもある。
研究者が推奨する対策は幾つかある。最も実用的な防御策は接続制限だ。1回のBREACH攻撃には多数の接続が必要になる。そのため、1カ所から大量に接続されたら警告を発するように、不正侵入検知システム(IDS)や不正侵入防止システム(IPS)にルールを設定するのがいいだろう。
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