「サイバーセキュリティ保険」がなかなか普及しない“本当の原因”とは?「サイバーセキュリティ保険」を正しく理解する【第2回】(1/2 ページ)

「サイバーセキュリティ保険」はサイバーリスクの移転手段の1つであるが、国内では認知、加入共に進んでいるとはいえない。その理由とは何か。現状の課題を整理する。

2016年09月30日 09時00分 公開
[阿部欽一]

 第1回「今更聞けない『サイバーセキュリティ保険』の真実、何をどう補償するのか?」では、サイバー攻撃の被害を総合的に補償する「サイバーセキュリティ保険」は特に海外で加入が増えていることを説明した。会計事務所PricewaterhouseCoopers(PwC)の予測では、サイバーセキュリティ保険の市場規模は2020年までに75億ドルに達するという。

 一方で国内における市場規模は、2014年度に105億円(日本ネットワークセキュリティ協会発表)と、ようやく100億円台を超えた段階だ。さらにIDC Japanが2016年4月に発表した「2016年 国内企業の情報セキュリティ対策実態調査」の結果によれば、国内企業のサイバーセキュリティ保険への加入率はまだ1割程度と、現状では十分に浸透しているとはいえない。

 なぜ国内では、サイバーセキュリティ保険の普及が遅れているのだろうか。

「認知度の低さ」が普及の壁なのか

       1|2 次のページへ

ITmedia マーケティング新着記事

news028.jpg

ファイザーのコンテンツサプライチェーン変革 “コロナ禍で世界を救った”経験はどう生かされたのか?
新型コロナウイルスワクチンをいち早く完成させた製薬会社は、コンテンツサプライチェー...

news167.jpg

企業の生成AI活用 なぜ日本は米国に追い抜かれたのか?
PwC Japanグループは日米両国で実施した「生成AIに関する実態調査」を基に、日本企業と米...

news012.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2024年10月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...