HDD時代のプロトコルであるSATAやSASでは、フラッシュストレージの性能を引き出せない。そこで生まれたのがフラッシュ専用プロトコルのNVMeだ。
近年のデータセンターで圧倒的に多く語られるテーマは、フラッシュストレージの台頭だ。それもそのはず、HDDに比べてパフォーマンスが100倍向上するからだ。
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ただし、アプリから媒体への入出力(I/O)パス中には常に渋滞箇所が存在する。そのボトルネックの主な原因は、ストレージを扱うためのプロトコルにある。それらはHDDとの接続に使うSASやSATAで採用されたものであり、それらはフラッシュ媒体のドライブでも採用されている。
しかしSAS(SCSIコマンドセットベース)とSATA(ATAコマンドセットベース)は、HDD用に設計された、歴史的なプロトコルだ。両者とも、フラッシュ媒体の利点を活用するという特性はない。
そこで業界は、フラッシュ媒体のために構築した、性能上有利な点が多数実装されたNVMe(Non-Volatile Memory Express)を標準化した。
NVMeは、周辺機器向けの規格であるPCIeをベースとし、物理スロットアーキテクチャ向けに構築されている。PCIeフラッシュを搭載したサーバ製品を市場に投入する際、各サプライヤーはトラフィックを管理するためのプロプライエタリなプロトコルを開発した。NVMeは、性質がそれぞれ異なる、各社のプロプライエタリなプロトコルに代わる真の規格として、大きな成功を収めた実例だ。
NVMeでは、カード本体のU.2コネクターを介して2.5インチのSSDも使用できる。
NVMeを装備したカードはもちろん、EMCの「DSSD D5」や新興企業E8 Storageの「D24」と同様の方式で、アレイ型フォーマットに集約することができる。実際NVMe形式のカードは、アレイコントローラーに追加できるようになった。ただし、NVMeの利用を想定するアレイ製品には、コントローラーの役割を果たすハードウェアが必要だ。また、そのハードウェアは、それ自体がボトルネックにならないものを選択しなければならない。
手短に言えば、NVMeではキューの処理性能が飛躍的に向上している。提供される帯域幅もSASやSATAに比べて格段に広い。
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