未来のサーバOSに求められるパラダイムシフト過去のお荷物を捨てよ

現在、サーバには多くのソフトウェアスタックが組み込まれている。この複雑性を解消するために、未来のサーバOSはどうあるべきか?

2017年02月17日 08時00分 公開
[Clive LongbottomComputer Weekly]
Computer Weekly

 2016年10月、Microsoftの新サーバOS「Windows Server 2016」がリリースされた。Linuxは誕生から25周年を迎える。IBMには自社製メインフレーム向けOSや「AIX」があり、Oracleには「Solaris」がある。これらは市場にあふれるOSの一部にすぎない。

Computer Weekly日本語版 2月8日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 2月8日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 サーバが誕生したころ、コンピュータを稼働、運用するために必要なスタックは実にシンプルだった。ハードウェアを起動する基本入出力システム(BIOS)、基本サービスをプロビジョニングするOS、実際に作業を行うアプリケーションだ。

 Intelが設計したシステムを見てみよう(他のアーキテクチャはアプローチがわずかに異なるためだ)。ハードウェアを起動する手段は依然必要だ。BIOSはUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)に置き換わったものの、サーバを稼働させるチェーンの主要リンクであることは変わらない。ハードウェア上に階層化されるものが何であれ、それをサポートするには、基本レベルのプロセスが必要になる。

 ただし、現在はハイパーバイザーもある。「VMware ESX」「Hyper-V」「KVM」などのハイパーバイザーが仮想化のために起動される。そしてそのハイパーバイザー上に、何らかの方法でOSがインストールされる。

 そこにはアプリケーションサーバ、ミドルウェア、マイクロサービス、仮想マシン、コンテナ、データベース、階層化されたセキュリティ、(「OpenStack」などの)完全なクラウドプラットフォームが存在することもある。または昔のように、非常に複雑なプラットフォーム上に古き良きアプリケーションが配置されるだけの場合もある。

 では、現在のOSに求められる役割とは一体何だろう。かつて、OSは重要な機能を複数備えていた。サーバと、サーバを取り巻くシステム(ストレージ、ネットワーク、周辺機器など)との間のインタフェース、モデムの設定、さまざまな機器(SCSI機器、周辺機器など)のドライバなど、多くの機能が作成されていた。

 コンピュータエコシステム全体が成長するにつれ、OSのサイズは膨れ上がっていく。新機能が導入される一方、ユーザーがモデムなどを使わなくなっても、事実上そうした機能を何も手放そうとしないためだ。

複雑なスタック

 OSは、複雑なスタックの一部として、過度に複雑さが増したチェーンの(場合によっては最弱の)リンクになろうとしているのだろうか。クラウドのような、ソフトウェアで定義された抽象仮想プラットフォームが主流となる時代には、基本OSとクラウドプラットフォームを組み合わせるよりも、直接実装できるクラウドOSの方が適切なのだろうか。

 機能の少ないOSを見てみよう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 ゾーホージャパン株式会社

「特権ID管理」などのIT統制に関する課題を解決する2つのアプローチとは?

2006年に金融商品取引法にて規定された内部統制報告制度(J-SOX)では、「ITへの対応」が構成要素となっているが、IT統制の評価プロセスは工数がかかり、業務負担や監査コストが課題となっている。これらを解決する2つのアプローチとは?

製品資料 ゾーホージャパン株式会社

攻撃者が狙うActive Directoryパスワード、手間をかけずに管理を強化するには?

企業のActive Directory(AD)にアクセスするためのパスワードが攻撃者の手に渡ると、ポリシー変更や権限昇格のリスクが発生する。だが実際は、使いまわしや共有など、パスワードのずさんな管理も目立つ。これを解決するには?

製品資料 Splunk Services Japan合同会社

金融業界のイノベーションに、オブザーバビリティの向上が必要な理由

金融業界は常にイノベーションの創出が求められるが、これを実現する上では、オブザーバビリティの向上が鍵となる。本資料では、金融業界でのイノベーション創出に、オブザーバビリティの向上が必要な理由について解説する。

製品資料 グーグル合同会社

ユーザーデータを適切に保護、Chromeの拡張機能をまとめて安全に管理する方法

Google Chromeの拡張機能は、導入が容易であることからユーザーが独自にインストールしているケースも多く、セキュリティ面でのリスクが危惧されている。この問題を解消するには、拡張機能をまとめて管理者が安全に管理する方法が必要だ。

製品資料 グーグル合同会社

廃止予定のレガシーテクノロジーはなぜ危険? 4つのリスクと特定するコツとは

近く廃止される予定の Web 技術を使用している Web サイトは多数存在するが、それらを放置しておくことは、さまざまな問題につながるという。その4つのリスクを解説するとともに、レガシーテクノロジーを特定する方法を解説する。

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...

news040.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。