現在、サーバには多くのソフトウェアスタックが組み込まれている。この複雑性を解消するために、未来のサーバOSはどうあるべきか?
2016年10月、Microsoftの新サーバOS「Windows Server 2016」がリリースされた。Linuxは誕生から25周年を迎える。IBMには自社製メインフレーム向けOSや「AIX」があり、Oracleには「Solaris」がある。これらは市場にあふれるOSの一部にすぎない。
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サーバが誕生したころ、コンピュータを稼働、運用するために必要なスタックは実にシンプルだった。ハードウェアを起動する基本入出力システム(BIOS)、基本サービスをプロビジョニングするOS、実際に作業を行うアプリケーションだ。
Intelが設計したシステムを見てみよう(他のアーキテクチャはアプローチがわずかに異なるためだ)。ハードウェアを起動する手段は依然必要だ。BIOSはUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)に置き換わったものの、サーバを稼働させるチェーンの主要リンクであることは変わらない。ハードウェア上に階層化されるものが何であれ、それをサポートするには、基本レベルのプロセスが必要になる。
ただし、現在はハイパーバイザーもある。「VMware ESX」「Hyper-V」「KVM」などのハイパーバイザーが仮想化のために起動される。そしてそのハイパーバイザー上に、何らかの方法でOSがインストールされる。
そこにはアプリケーションサーバ、ミドルウェア、マイクロサービス、仮想マシン、コンテナ、データベース、階層化されたセキュリティ、(「OpenStack」などの)完全なクラウドプラットフォームが存在することもある。または昔のように、非常に複雑なプラットフォーム上に古き良きアプリケーションが配置されるだけの場合もある。
では、現在のOSに求められる役割とは一体何だろう。かつて、OSは重要な機能を複数備えていた。サーバと、サーバを取り巻くシステム(ストレージ、ネットワーク、周辺機器など)との間のインタフェース、モデムの設定、さまざまな機器(SCSI機器、周辺機器など)のドライバなど、多くの機能が作成されていた。
コンピュータエコシステム全体が成長するにつれ、OSのサイズは膨れ上がっていく。新機能が導入される一方、ユーザーがモデムなどを使わなくなっても、事実上そうした機能を何も手放そうとしないためだ。
OSは、複雑なスタックの一部として、過度に複雑さが増したチェーンの(場合によっては最弱の)リンクになろうとしているのだろうか。クラウドのような、ソフトウェアで定義された抽象仮想プラットフォームが主流となる時代には、基本OSとクラウドプラットフォームを組み合わせるよりも、直接実装できるクラウドOSの方が適切なのだろうか。
機能の少ないOSを見てみよう。
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