「Salesforce Trailhead Live Tokyo」の講演内容から「IBM Watson」と「Salesforce Einstein」が連携することで企業にはどのようなメリットがもたらされるのかを探る。
2017年3月にグローバル戦略パートナーシップを発表したIBMとSalesforce.com。人工知能(AI)技術を活用した両社の製品/サービスである「IBM Watson」と「Salesforce Einstein」を連携させ、企業のスマートな意思決定をより迅速な形で支援すると説明していたが、具体的にはどういうビジネスに、どのような形でベネフィットがもたらされるのだろうか。
本稿では、2017年7月4日に開催された「Salesforce Trailhead Live Tokyo」における日本アイ・ビー・エム理事の浅野智也氏、セールスフォース・ドットコムでプロダクトマーケティングのシニアディレクターを務める御代茂樹氏、Salesforce.comプロダクトマネジメントディレクターのケン・ワカマツ氏の講演内容を基に、両社のパートナーシップが顧客関係管理(CRM)を中心とする既存のビジネスにもたらすインパクトについて考察する。
セールスフォース・ドットコムの御代氏は冒頭、Einsteinが目指すこととして、「機械学習や深層学習、予測分析、自然言語処理などを活用したアプリケーションを誰でも簡単に使えるようにする、すなわち『AIの民主化』だ」と主張した。続いて登壇したワカマツ氏は、「テキスト、画像、音声のような非構造化データを扱うには、従来型の機械学習よりも深層学習が優れている」と述べ、リード(見込み客)スコアの改善やマーケティングキャンペーンの最適化といったSalesforce.comの事業の中核となる機能の向上に深層学習が役立つことを指摘した。
2人に続いて登壇した日本アイ・ビー・エムの浅野智也氏は、両社の戦略的パートナーシップの内容について説明した。このパートナーシップは両社の顧客により良い顧客体験を提供するためのものであり、以下に示す4つのフォーカスエリアがあると述べた。
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