ディープラーニングを本番環境へ導入する方法
TwitterやSpotifyがディープラーニング(深層学習)の活用で重視していること
ディープラーニング(深層学習)モデルを本番環境に導入して、ビジネスに良いインパクトを与えようとするなら、モデルの設計やテストのような基本事項に目を向けることが重要となる。
自動走行車、コンピュータビジョン、音声認識の開発にディープラーニング(深層学習)モデルを導入し成功を収めたという話をよく耳にする。だがディープラーニングを本番環境へ導入するときは、依然として分析の基本事項が問題になる。
米国で開催された「Deep Learning Summit」のプレゼンテーションで、Twitterのエンジニアリングマネジャー、ニコラス・クンチャツキー氏は次のように語った。「ディープラーニングの導入時には、特徴の選択、モデルの簡素化、A/Bテストによるモデルへの変化など、分析での従来の考慮事項が重要になる」
「メディアには取り上げられていないが、実際Twitterではディープラーニングが多くの価値が生み出している」(クンチャツキー氏)
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ディープラーニングの活用
ディープラーニングの課題
Twitter操作の中心に位置するディープラーニング
現在、ディープラーニングはTwitterの大黒柱といっても過言ではない。これまでのソーシャルネットワークの大半は、フォローしている人々のツイートを投稿日時順にタイムラインへ表示してきた。だが2016年上期、Twitterはツイートをランク順にタイムラインに表示する仕様に変更した。これはFacebookがニュースフィードをランク付けして表示するのに似ている。新しいアプローチでは、アルゴリズムが人々のツイートのコンテンツを評価し、ユーザーにとっての魅力度を判断して、それを基にユーザーのタイムラインに表示する。
このプロセスには自然言語処理から画像認識まで、多くのディープラーニングが関与している。「幾つか壁を乗り越えたとして、当社はメディアから多くの注目を集めている」(クンチャツキー氏)
だが基盤となるモデルを本番環境に移行したら、そのモデルが円滑に機能することこそ重要になると同氏は話す。モデルでは、膨大な量のコンテンツがほぼリアルタイムにユーザーのタイムラインに表示されるため、待ち時間を短く抑えるには、モデルを余裕のある状態にする必要がある。つまり、ほんの数ミリ秒で結果を返さなくてはならない。同氏によれば、変更によってユーザー操作性を損なうリスクを避けるためにもテストが極めて重要になるという。
ユーザー操作性が全て
Spotifyで機械学習のリーダーを務めるデビッド・マーガトロイド氏によると、ディープラーニングを本番環境に導入するには、ユーザー操作性に関するセンスが求められるという。
「実際に重要なのは、人々の心に響く製品モデルを見つけることだ」とDeep Learning Summitのプレゼンテーションで同氏は述べた。「それが見つからなければ、モデルはどこかの棚に置かれたまま、誰にも使われることはないだろう」
同氏は、Spotifyで同社の「Discover Weekly」機能を使ってその方法を説明した。Discover Weekly機能はレコメンデーションエンジンで、ユーザーが過去に聞いたアーティストの種類を基に新しい音楽の検索を支援する。マーガトロイド氏の話では、曲とアーティストを結び付けるディープラーニングアルゴリズムは、少し時間はかかるが、正しく機能しているという。
だがレコメンデーションは、チームが考えていたほど多くのリスナーに使われなかった。そこでレコメンデーションを表示するユーザーインタフェースを詳しく調べたところ、基本的にはアルバムカバーをコレクションとして集めて表示するだけで、どれを選ぶかはユーザー任せにしていることが分かった。これにはユーザーの先入観や偏見が入り込む余地がある。
現在のDiscover Weekly機能では、ユーザー別にプレイリストを生成するようになっている。ユーザーは再生ボタンを押すだけだ。
直感に基づく訂正の余地
ディープラーニングを本番環境に導入するときにもう1つ重要な考慮事項は、オーバーライドのプログラミングだ。マーガトロイド氏によれば、人間にとって奇妙に見えるレコメンデーションをモデルが提供し始めることがよくあるため、直感を基に訂正できる余地があると便利だという。
だが長い時間をかけて変化する出力によってモデルを進化させているため、手作業による制御は部分的にすべきだと同氏は語る。こうした制御は適切に行えば重要だが、「そうしなくてはならないのは嘆かわしいことだ」とマーガトロイド氏は話した。
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