セキュリティパッチ配信でトラブルか
Androidの無線LANはまだ危険? WPA2脆弱性「KRACK」問題の終わりが見えない
GoogleはAndroidのアップデートを公開し、無線LANセキュリティプロトコルの脆弱性「KRACK」に対処した。だがアップデートを巡って混乱があり、エンドユーザーは自分のデバイスが安全かどうか分からない状況にある。
Googleは直近でリリースしたモバイルOS「Android」のアップデートに、無線LAN関連の脆弱(ぜいじゃく)性「KRACK」を修正するセキュリティパッチを盛り込んだ。そのセキュリティパッチが、いつエンドユーザーのデバイスへ配信されるのかは、はっきりしない。
KRACKの脆弱性を発見した研究チームは公表時点で、これを悪用した攻撃は「特にLinuxとAndroid 6.0に対して壊滅的」だと言明。LinuxやAndroidでは「だまされて、値が全てゼロの暗号鍵を(再)インストールさせられる」恐れがあると指摘していた。
Googleは2017年11月に公開したアップデートに、AndroidのKRACKの脆弱性に対するセキュリティパッチを盛り込み、Android 5.0.2~8.0の各バージョンで問題を修正した。だがエンドユーザーは、このセキュリティパッチの配信を巡ってトラブルに見舞われている。
AndroidのKRACK向けセキュリティパッチは、Googleが公開した「2017-11-06」というセキュリティパッチレベル(適用済み最新パッチの日付情報)に含まれる。だが2017年11月のセキュリティパッチレベルは、この他「2017-11-01」「2017-11-05」に分割している。Googleが販売するデバイスの「Pixel」「Nexus」には最初にセキュリティパッチが配信されたが、一部のエンドユーザーは、配信後のセキュリティパッチレベルが2017-11-05だったと報告している。その場合、KRACKの脆弱性は修正されていないことになる。
ミニブログ「Twitter」への投稿には、KRACKの脆弱性が修正されないセキュリティパッチレベルをGoogleが配信したことに関する、エンドユーザーの混乱が表れている。Androidに独自のセキュリティ対策を施したカスタムROM「CopperheadOS」を提供するCopperheadのTwitterアカウントは、現実にはAOSP(Android Open Source Project。Androidの開発プロジェクト)では修正されておらず、いずれの系統でもパッチは配信も撤回もされていないと説明。「ほとんどのデバイスには、2017-12-01のみが配信されるだろう」と付け加える。
「Googleよりも先に」KRACK対策に着手するデバイスベンダー
エンドユーザーは普通、GoogleがAOSPのリポジトリにセキュリティパッチを追加して、ハードウェアベンダーが配信に向けた作業を開始できる状態になるまで待つ必要がある。だがAndroidのKRACK脆弱性では、ベンダー各社がGoogleよりも先に、修正に向けた作業に着手していたようだ。
Xiaomiのバイスプレジデント兼マネージングディレクター、マニュ・クマール・ジェイン氏は、Googleの3日前にパッチ公開を発表した。ジェイン氏はTwitterで「セキュリティはわれわれの最優先課題だ」と説明し、ベンダーごとのカスタマイズをしていない「ストックAndroid」よりも先に、KRACKに対処したことを強調した。Samsung Electronicsも、同社の2017年11月のセキュリティアップデートにKRACK向けのパッチを含むことが分かっている。
KRACKの脆弱性を発見した研究チームは当初、大手ベンダーにセキュリティパッチ開発の時間を与えるため、この問題を事前に通知していたことで称賛された。だがGoogleがこの問題について、いつ報告を受けたかは分かっていない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[ポールトゥウィン株式会社] 開発スピードと品質を両立、DONUTSが実践する「ハイブリッドなQA体制」の構築術 -
製品レビュー
[ポールトゥウィン株式会社] 開発スピードと品質は両立できる? DONUTSの「ジョブカン」に学ぶQA戦略 -
市場調査・トレンド
[レッドハット株式会社] 「プラットフォームエンジニアリング」調査レポート:利点・課題・未来像を詳説 -
市場調査・トレンド
[レッドハット株式会社] 生成AI活用のためのテクノロジー基盤、構築に際しての7つの検討事項とは? -
製品資料
[レッドハット株式会社] ビジネスの現場へのAI導入と活用、何から始めてどのように進めるべきか?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
2
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
3
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
4
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
-
5
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
6
「企業におけるAIの運用」に関するアンケート
-
7
IBM iのブラックボックス化を打破 資産継承と進化を実現する「IBM Bob」の実力
-
8
本当にそのIBM iに問題はない? ブラックボックス化と属人化を防ぐ第一歩
-
9
「RAGの利用」に関するアンケート
-
10
「ERP(統合基幹業務システム)の導入・活用」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
3
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
4
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
5
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
6
AI活用を停滞させる「2:6:2の壁」を乗り越えるためのポイントとは?
-
7
ソフトウェア開発の属人化と手戻りをどう防ぐ? 速さと品質を両立させる方法
-
8
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
9
複雑な組織構造で一度は頓挫した電子化、東京女子医科大はどう全学展開したか
-
10
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー