セキュリティの研究者が、GoogleのモバイルOS「Android」を標的とした「Skygofree」という新種のスパイウェアを発見した。このスパイウェアは長い時間をかけて開発されており、モバイルデバイスにおいて「これまでに例のない監視機能」を持つ。MicrosoftのOS「Windows」を標的とする亜種も登場している。
セキュリティ企業のKaspersky Labでモバイルマルウェアアナリストを務めるニキータ・ブーチュカ氏と、セキュリティの専門家アレクセイ・ファーシュ氏がブログに投稿したエントリ(記事)によると、Skygofreeは2014年に開発されて以降「搭載機能が強化され、驚くべき新機能も実装されている」という。
ブーチュカ氏とファーシュ氏の両氏は、Androidを標的とするこれまでのスパイウェアの中でも、「Skygofreeは最も強力なツールの1つだ」と分析している。Skygofreeは強力な機能を複数実装している。例えば、複数のソフトウェアやハードウェアの脆弱(ぜいじゃく)性を利用し、悪意を持った攻撃に使われる「エクスプロイト」というプログラムを使って、ルート(管理者)権限を取得できる。特定の場所にいるときに周辺の音声を録音する「サーベイランス機能」などを備えている。
Skygofreeのプログラムなどを分析した結果から、ユーザー監視システムの開発を手掛けるHackingTeamのようなイタリアのIT企業がSkygofreeを開発しているのは「ほぼ間違いないと考えている」と、ブーチュカ氏、ファーシュ氏は主張する。
両氏によると、悪意ある攻撃者はHTTP、XMPP、バイナリSMS、Firebase Cloud Messagingといったプロトコルやサービス(注1)を介してSkygofreeを操作し、コマンドを実行するという。そのコマンドによって、特定の場所にいるときに音声を録音し、他のアプリケーションからファイルを盗み、無線LAN接続機能を有効にして悪意のある無線LANに接続させ、デバイスのロック解除時にインカメラで動画や画像を撮影する。
※注1:各プロトコル、サービスの概要は以下の通り。いずれも通信に関連する。
Skygofreeは、LINEの同名サービス、Facebookの「Facebook Messenger」、WhatsAppの「WhatsApp Messenger」、楽天の「Viber」などのメッセージングサービスのデータを標的とするようにプログラムされていた。
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