「バックドアは仕込んでいない」と強調
無料で高機能のリバースエンジニアリングツール「Ghidra」とは? NSAが公開
米国家安全保障局(NSA)が、リバースエンジニアリングツール「Ghidra」を無償公開した。ハイエンドの商用製品並みの機能を搭載する。
米国家安全保障局(NSA)がマルウェア対策用のリバースエンジニアリングツール「Ghidra」のオープンソースソフトウェア(OSS)版を公開した。セキュリティプロフェッショナルはGhidraを使うと、高額なハイエンドの商用製品でしか使えなかった機能を利用できる。
サンフランシスコで2019年3月上旬に開かれたセキュリティイベント「RSA Conference」で、NSAはGhidraを発表した。期待の高かった今回の発表には、引き続きITセキュリティ業界とのより良い関係構築を望む、NSA側の意図が込められている。
自称「オープンソースジャンキー」ことデービッド・マットソン氏によると、Ghidraは「私が使っているツールよりもはるかに先を行っている。エアガンの戦いに戦車を持ち込むようなもの」と形容する。マットソン氏は保険会社Centeneに勤務するセキュリティプロフェッショナルだ。
NSAで上級アドバイザーを務めるロバート・ジョイス氏は満場の聴衆を前に、Ghidraが標準搭載する機能について説明した。NSAは実行可能ファイルをコードへと解体する目的で同ツールを使っている。このリバースエンジニアリングのプロセスは、マルウェアやその作者について詳しく知る上で役に立つ。
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Ghidraの公開は「NSAのためになる」
Ghidraは、2000年初めにNSAが開発したJavaベースのリバースエンジニアリングツールで、Windows、Mac OS、Linux、iOS、Android向けのソフトウェアを解析できる。エンドユーザーはWindowsやMac OS、LinuxでGhidraを使用できる。
モジュール構造を採用しており、セキュリティプロフェッショナルは目的に応じてモジュールを削除したり追加したりできる。この構造のおかげで、NSAはGhidraのソフトウェアを共有しながら、内部にとどめておきたいモジュールを非公開とすることができる。「NSA内部では、今も健全な状態で開発が進められている」とジョイス氏は言う。
エンドユーザーはJavaScriptやPythonを使って、モジュールの機能を拡張できる。共有リポジトリやバージョン管理機能は、同僚との連携に役立つ。
GhidraをOSSとして公開することは、ツールの改善につながり、NSAのためにもなるとジョイス氏は言う。大学が講義の材料としてGhidraを使うこともでき、NSAで働くことについて学生に興味を持ってもらう助けにもなる。
NSAは2013年、契約職員だったエドワード・スノーデン氏が、NSAによる米国民の通話やメール記録の収集・分析プログラムを暴露して脚光を浴びた。このプログラムは2001年9月11日の同時多発テロを受け、当時のジョージ・W・ブッシュ大統領がテロ計画を察知する目的で開始した。米紙New York Timesはこのほど、NSAがひそかにこのプログラムを終了させたと報じた。
過去のいきさつを念頭にジョイス氏は、RSA Conferenceの出席者に対し、Ghidraは安全に使えると説明し「念のために言っておくと、Ghidraにバックドアは存在しない。誓ってもいい」と強調した。
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